2022 Fiscal Year Research-status Report
通信販売の配送における配送効率化を促す消費者の選択行動に関する研究
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21K13383
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Research Institution | Ryutsu Keizai University |
Principal Investigator |
宮武 宏輔 流通経済大学, 流通情報学部, 准教授 (40784343)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | インターネット通信販売 / 消費者の受取方 / 置き配 / 宅配ロッカー / 生鮮食品 / アンケート |
Outline of Annual Research Achievements |
配送オプションの選択によって消費者が負う費用の実態を調査するべく、2021年度で得られたインターネット通信販売(以下、ネット通販)における公共型宅配ロッカー・コンビニエンスストア受取・置き配についての利用実態と利用意向についてアンケート調査を基に、2022年度はいくつかの具体的なネット通販サービスにも焦点を当てて、より掘り下げた調査と分析を行った。 ネット通販の場合、どのような商品を購入するか、どの程度の金額の商品であるかによって、消費者が許容できる配送オプションは異なると考えられる。そのため生鮮食品のように鮮度維持のために受け取り方の制限を受けそうな商品を対象としたアンケート調査を実施した。その結果、生鮮食品ということで主たる受け取り方としては対面が多いものの、置き配を利用している消費者も18%ほどは存在することが明らかになった。この調査では、生協を除いているため、生鮮通販全体では多くの消費者が、然るべき鮮度維持措置(発泡スチロールなどを利用した保冷措置)を行えば、置き配を許容する現状が明らかになった。また、ネット通販サービスによっては、保冷型宅配ロッカーを必ず利用する必要もあり、それを好んで利用している消費者の存在も明らかになった。以上より、個別のネット通販サービスの実態を把握しつつ、ラストマイルの担い手不足と消費者が望む購入形態と配送方法の整理が必要であることも改めて明らかになった。 また、生協の置き配利用者ほどネット通販の置き配に抵抗がないという傾向も明らかになった。本研究で仮説とした「利用経験」が消費者の対面以外の配送サービス選択を促していることを示す証左の一つであると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度に消費者全体のアンケートまで進めていたこともあり、2022年度はより個別の商品のネット通販やその受取方に関するアンケートまで進めることができたので、消費者側の調査は順調に進んでいる。 2021年度からCovid-19の影響で調査が遅れていた事業者側の配送施策の現状についても、徐々に調査が行えるようになってきた。ただし、トラック運送業における労働者の労働時間規制問題(2024年問題)の影響は、ネット通販のロジスティクスにも及んでおり、事業者側のロジスティクスネットワークも改変期になっている。そのため、事業者側の配送ネットワークの整理については実態解明にさらなる時間が必要である。 以上の当初予定よりも進展した点と遅れた点を考慮して、研究全体としては「おおむね順調に進展している。」と判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
消費者に関する調査においては、これまでのアンケート結果などから全体として置き配・公共型宅配ロッカーなどの利用経験が、対面以外での受取方を選択するうえで正の影響を与えている傾向がうかがえた(生鮮食品でも、生協で置き配を利用している消費者ほどネット通販でも生鮮食品の置き配には抵抗がない傾向にあった)。この利用経験に関する影響を定量的に検証するとともに、ネット通販の種類または購入商品が受取方に与える影響についても詳細に分析していく。 また、事業者側のネットワークが消費者の需要に応えられているのか、それとも課題を抱えているのかについても検証する必要がある。既にインタビュー調査を行った宅配便事業者に加え、ネット通販事業者の配送ネットワークについても再度検証していく(二次資料以外でインタビュー調査などが行えることが望ましいが、宅配便事業者以上に情報の取得が難しい面もあるので、その場合は現状での整理を利用する)。 2022年2月より、代表者は西武HDとロッカーや鉄道を利用した配送ネットワークの共同研究を開始しており、そこでの知見と分析も反映していく予定である。
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Causes of Carryover |
国際学会への参加が学務および自身の体調不良で難しくなったこと、国内の事業者であっても依然として外部からの調査受け入れに消極的であったことなどから、出張旅費が2年連続当初の予定よりも利用できなかった。また国内学会もオンラインでの開催となったことも国内旅費を使用できなかった理由である。 2023年度はほぼすべての学会で対面での開催が予定されており、可能な限り現地での報告を行うために旅費等を利用する予定である。また、予算に余裕があることから、消費者へのアンケートについてもこれまでより設問範囲と対象者を拡大した形での大規模なアンケートも予定している。
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Research Products
(9 results)