2023 Fiscal Year Annual Research Report
Research on the formation process of customer experience through co-creation activity between retailers and customers
Project/Area Number |
21K13394
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
張 セイ 金沢大学, 経済学経営学系, 講師 (20803472)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 顧客経験の動態性 / 記憶性 / 共創活動 / サービス経験 / 価値共創 |
Outline of Annual Research Achievements |
顧客経験に関する理論的および実務的関心が高まっている。これまでの研究は、特定の時点での企業の特定の接点における顧客の反応に焦点を当ててきた。しかし、時間の経過とともに経験が蓄積または変化するプロセスについての研究は不十分である。この研究は、顧客経験のダイナミックな特性に注目し、小売企業と顧客の持続的な共創活動を通じて、顧客経験の形成と変化のメカニズムを明らかにすることを目的としている。 2023年度の研究では、顧客経験が企業との共創活動とともにどのようにダイナミックに変化するかを調査した。まず、日系小売企業と顧客の共創活動の実態調査を行った。その結果、小売企業は単なる商品販売にとどまらず、顧客のグッズの消費使用段階の行動や日常生活に焦点を当て、共創活動の範囲を広げることで顧客経験の形成に貢献していることが分った。さらに、経験の記憶性に焦点を当て、記憶性と顧客経験の形成プロセスの関係を明らかにするために研究調査を行った。特定の小売サービスが顧客の記憶に残り、その記憶が喚起される条件、そして新たな経験の形成にどのように関連するかを調査した。顧客を対象とした深層インタビュー調査とデータ分析の結果から、「記憶に残る経験」の特性、先行要因、およびアウトプットの構成要素を明らかにした。また、経験の記憶性が時間の経過とともに変化することが、顧客経験の形成プロセスに影響を与えることを確認した。これらの知見から、「経験の記憶性」という概念を導入することで、顧客経験の動態性を理解することができると結論づけ、今後の顧客経験の包括的な理論構築に向けて新たな研究方向性を提案した。
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