2023 Fiscal Year Research-status Report
多様化する農業および農業労働の現代的な意義の解明とジェンダー間比較
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21K13431
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Research Institution | University of Human Environments |
Principal Investigator |
谷川 彩月 人間環境大学, 環境科学部, 講師 (60895811)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 環境保全型農業 / 稲作 / 畜産 / スマート農業 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、宮城県登米市にてフィールドワークを実施し、コメ生産現場の現状を把握した。フィールドワークでは、以下のことが明らかとなった。まず、現地は県内有数の畜産業がさかんな地域であり、家畜の糞は市町村合併前の旧町域区域に1軒ずつ建設された堆肥センターへと持ち込まれ、そこで肥料化されることで地域内での循環型農業が可能となっていた。また、新米の初検査に立ち合い、本年度のコメの出来やカメムシ米の混入率などのデータを得た。これらに加えて、地域内の大規模農家へインタビュー調査を実施し、スマート農業の導入状況やその課題を稲作と畜産の観点から尋ねた。以上のフィールドワークをもとに、日本村落研究学会が主催する研究会にて発表を行った。 また、本年度は投稿論文の執筆にも励んだが、残念ながら掲載には至らなかった。未発表となった草稿については、改めて修正・データの追加等を施すことを次年度の課題としたい。 その他、海外のAnimal Studies、Environmental Sociology、Rural Sociology等の文献を読み、研究の精緻化に努めた。文献調査の結果として、Animal Studiesの多くは人間例外主義・人間中心主義を批判するという前提を共有しているということが明らかとなった。こうした研究潮流を、いかにして自身の研究に活かしていくのかを次年度以降も検討していきたい。また、Environmental SociologyとRural Sociologyは日本にも独自の学会が存在するが、研究潮流は必ずしも共通していないことがわかった。そのため、自身の研究の枠組みとしてどういった研究のどの部分を採用していくかについては、次年度以降も引き続き検討していきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
子どもが生まれてからフィールドワークに出かけることが難しくなり、当初の計画通りには進んでいない。また、昨年度は予定していた調査を先方に断られ、研究計画を変更せざるを得なくなった。以上のことから、進捗状況はやや遅れていると自己評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策は、次の2点を軸としたい。まず、フィールドワークについては、引き続き宮城県登米市を主な調査対象地とするとともに、勤務先のある愛知県内にも調査先を広げていきたい。具体的には、勤務先のある岡崎市を調査地とし、有機農産物等の学校給食への利用実態を明らかにしたい。次に、文献調査の結果を活用したり、オンラインでのアンケート調査を企画するなどして、フィールドワークから得るデータ以外でも研究成果を出していきたい。フィールドへ行く機会が減少し、なかなか思うように研究成果が上げられないというのは、子どもを持ったフィールドワーカーの多くが直面する課題であると予想されるため、女性研究者同士で積極的な情報交換を行うなどしてよい策を見つけていきたい。
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Causes of Carryover |
前年度未使用額がまだ残っており、次年度使用額が生じた。翌年度分として請求した助成金と合わせて、来年度のフィールドワークの費用に充てる計画である。
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