2021 Fiscal Year Research-status Report
タイムスタディによる児童家庭支援センターの役割の明確化に関する研究
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21K13465
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Research Institution | Shirayuri University |
Principal Investigator |
堀口 康太 白百合女子大学, 人間総合学部, 講師 (80808626)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 児童家庭支援センター / タイムスタディ / 役割 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度は児童家庭支援センター(以下センターという)の役割を明確にするために、センターが設置されている地域の地域性を考慮し、センターのタイプ分けを行うための面接調査を実施した。 研究計画では、15か所から30か所のセンターを対象に聞き取り調査を行う計画であったが、ほぼ計画通りの数のセンターから研究への協力を得ることができ、1年目はセンターへの聞き取り調査を順次実施した。 聞き取り調査では、センター長、センターの相談員、心理士等、当該センターの業務を熟知している職員を対象として、「センターとして行っている業務の特徴」、「児相との連携方法、役割分担の現状」、「市区町村との連携方法、役割分担の現状」等について、センターの職員に聞き取りを行い、児童家庭支援センターの役割について検討したところ、「受けている相談の特徴」、「主な相談者の年齢」、「主な連携先」、「児童相談所や市町村との連携の仕方」からいくつかのタイプに分類される可能性が示唆される一方で、「地域の子どもや保護者等からの専門的な相談に応ずる」という相談機関としての役割は共通していることが示唆された。 たとえば、相談種別においては、児童虐待等の要保護児童を中心に対応しているセンターと不登校、発達障害に関する相談に対応しているセンターに大きく分けることができるが、多くのセンターは地域向けの講座や施設で行うショートステイ等を入口として、子どもや保護者を専門的な相談へと結び付けていることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和3年度はほぼ計画通りの数のセンターから研究協力依頼を得ることができ、おおむね順調に聞き取り調査を進めることができているため。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度以降は、引き続き聞き取り調査を実施しつつ、令和3年度の研究実績に記載したセンターのタイプ分けやそれを左右する要因、多くのセンターに共通している特徴について、さらに詳細な分析を行い、学会発表や学術雑誌への投稿を通して、研究成果の公表を始めていく予定である。 令和4年度の研究成果を基に、センターをいくつかのタイプに分類した後、令和5年度以降に実施予定のタイムスタディ調査の調査票の作成、調査の依頼先の選定を進め、タイプごとにより詳細にセンターの役割を明確にしていくためのタイムスタディへとつなげていく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの流行が終息しなかったため、予定よりも多くのセンターがオンラインビデオ会議システムによる聞き取り調査となったため、出張旅費が想定よりもかからなかったこと、聞き取り調査の文字起こしのための人件費が想定よりもかからなかったことがその理由である。 次年度以降の調査においては、対面での調査を予定しているセンターもあり、その出張旅費、聞き取り調査の文字起こしを進めていくための人件費に用いる予定である。
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