2022 Fiscal Year Research-status Report
タイムスタディによる児童家庭支援センターの役割の明確化に関する研究
Project/Area Number |
21K13465
|
Research Institution | Shirayuri University |
Principal Investigator |
堀口 康太 白百合女子大学, 人間総合学部, 講師 (80808626)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 児童家庭支援センター / 専門性 / 関係機関連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度は全国の32センターに協力いただき、児童家庭支援センターを対象としたタイムスタディ実施の前提となるセンターの専門性や役割のタイプ分けを行うための聞き取り調査を実施した。聞き取り調査について分析を行った結果、「教育・医療・障害福祉の関係機関との密接な連携によって、育成・障害・性格行動を中心に対応している」クラスター、「地域支援や子育て短期支援事業で相談ニーズをキャッチし、市町村や児相と密接で多様な役割分担を構築し、養護相談を中心に数多くの相談へと応じている」クラスターに分類することができ、センターは設置されている地域のニーズに即して専門性や役割を発揮していることが示唆された。 専門性や役割を発揮するために、センターの職員は、地域の虐待予防を担うソーシャルワーク機関であるという運営方針をもとに、児童相談所や市町村などの行政機関が担いにくい夜間休日の対応、そして施設に付置されていることを活かした子育て短期支援事業を活用した相談支援を行うなど、地域における支援の“足らず”を補うための対応を行っていた。 こうした対応、運営方針を具体化するために、相談員と心理士の柔軟な役割分担、関係機関との顔の見える関係性、綿密な情報共有を試み、実際の相談対応においては、保護者をねぎらうことなどを通して、保護者が受け入れられたと感じてもらうための対応やこどもの立場や状況に合わせた対応をしていることが明らかにされた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、2年目ではセンターを対象とした聞き取り調査を実施することができ、令和5年度以降のタイムスタディの実施に向けて順調に研究が進展していると判断できるため。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和5年度以降は、聞き取り調査に協力いただいた全国のセンターにタイムスタディへの協力を依頼する。研究以来は聞き取り調査で明らかになった2つのタイプのセンターからバランスよく構成されるように依頼を行う。研究協力を円滑に得ていくために、研究を実施する適切な時期、対象職種、タイムスタディに用いる調査票の内容等について、調査に参加しないセンターの職員から聞き取りを行い、現場の事情に根差した調査設計にすることを心がけ、調査に協力いただくセンターについては、研究者が実際に伺い、研究の詳細について説明しながら、研究への協力を依頼することとする。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの流行により研究計画立案当初に予定していた出張旅費等がかからなかったことにより、次年度使用額が生じている。今年度はタイムスタディ実施のため、研究協力機関に出張し、研究依頼、研究説明等が生じるため、その出張旅費、途中経過の報告を行うための学会出張旅費、依頼文等の文書の印刷に係る消耗品費に充て、研究の円滑な進行に役立てる。
|