2023 Fiscal Year Annual Research Report
児童養護施設における保育士の力量形成過程に関する研究
Project/Area Number |
21K13472
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Research Institution | Asahikawa City University Junior College |
Principal Investigator |
崔 敏奎 旭川市立大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (00844911)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 児童養護施設 / 保育士の力量形成プロセス |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、データの分析及び論文としてまとめることを計画として進めた。昨年度行った12名の保育士を対象としたインタビュー調査のデータを逐語化してデータ化し、質的分析手法であるM-GTAの分析手法に沿って分析を行った。 分析する際には改めて研究の目的を「児童養護施設の保育士の力量形成のプロセスを明らかにする」こととして設定し分析を行った。具体的に「児童養護施設の保育士は子どもとの関わりにおいて新任から中堅を経て現在に至るまでどのような経験をし、そこからどのような力量が形成されるのか」の具体的な様相を解明することが本研究の目的であった。そして、その対象を「保育士養成校で保育士資格を取得し、児童養護施設の保育士として8年以上勤務している保育士」を研究対象としている。分析の結果、[児童養護施設の保育士としての就職]をすることは、<子どもの生活と自立支援の場への参加>をすることであり、そこから<実践の場としての学びのスタート>が始まる。しかし、新任保育士の際には、<子どもとの関係>から単に【必死になる】。新任保育士時の【必死になる】ことは【卒園児との関わり】や【続けることにより子どもたちに認められる】経験によって【中堅という自覚】をし、そこから【注意する方法を身に付ける】ことや【子どもとの関係性・信頼には時間がかかるという自覚】といった中堅の力量を形成していく。そして、現在に至る力量として【児童養護施設で働く保育士像を構築する】ことが分析の結果として挙げられた。また、新任保育士の【必死になる】ことや中堅保育士の[異動による一から学びなおし]は保育士同士での【インフォーマル関係を構築する】ことから支えられるプロセスがあった。 以上の分析内容の詳細は「旭川市立大学短期大学部紀要第1号」に「児童養護施設における保育士の力量形成のプロセス(pp.19-54)」のテーマとして公表している。
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