2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of a group self-management program to promote social participation of the frail elderly
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21K13479
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
高木 雅之 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 准教授 (90468299)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | フレイル / 通所型サービス / セルフマネジメント / 社会参加 / 作業療法 / 生きがい感 |
Outline of Annual Research Achievements |
フレイル高齢者の社会参加を促進する集団セルフマネジメントプログラムを開発した。プログラムでは、社会参加を含めた日々の活動を記録すること、およびその記録に基づいた対話を中心とした。活動の記録や対話を通じで、日々の活動・参加の主観的経験が豊かになり、活動・参加が促進されることを意図した。 活動の記録には、研究代表者が先行研究で開発した活動日記を改良したものを用いた。活動の記録では、主観的な経験を簡単に数値化でき、モニタリングができるよう工夫した。記録に基づく対話では、参加者がグループで対話する場面とセラピストが1対1で対話する場面を設定した。 開発したプログラムを地域在住高齢者6名を対象に集会所で試行した。対象者は全員女性で、平均年齢は84歳であった。対象者には要支援者2名が含まれていた。週1回90分、計5回のプログラムを試行し、プログラム前後で比較した結果、全員の社会活動の満足度、生きがい感が向上した。社会活動の満足度におけるプログラム前後の差の中央値は6.5点(範囲:1-15)であった。生きがい感におけるプログラム前後の差の中央値は4.5点(範囲:2-14)であった。また握力と立ち上がり回数においても増加傾向がみられた。 プログラムによって、日々の活動や参加に対する注意と認識が高まり、活動や参加の方法が変化し、ニーズを充足する日々の経験が増えたことが、活動の満足度や生きがい感につながったと考えられる。活動の記録と対話を中心としたプログラムが、フレイル高齢者の活動や参加を改善する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初はプログラムに必要な要素を抽出する計画であったが、先行研究をもとにプログラム案を作成し試行できた。対象者は少人数であったが、プログラムの効果が見込めた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、プログラム回数や内容を改善し、より多くの対象者にプログラムを実施し、効果を検証していく。またプログラムの作用機序を明らかにするために、対象者のプログラム参加経験についてのデータを集め、分析する。分析結果を活かして、プログラムの要点をまとめた実施マニュアルを作成する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍のため今年度行う予定だった研究計画を変更した。当初の計画では、遠方の旅費を伴う調査研究を行う予定だったが、近隣住民を対象とした介入研究を行ったため、次年度使用額が生じた。来年度は、介入研究の規模を拡大し、プログラム実施者や対象者を増やすため、助成金を人件費や謝金として使用する。
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Research Products
(2 results)