2021 Fiscal Year Research-status Report
Model construction for an integrated approach to child abuse cases that treats both the internal and external worlds
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21K13484
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Research Institution | Doho University |
Principal Investigator |
千賀 則史 同朋大学, 社会福祉学部, 准教授(移行) (70803782)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 虐待 / 子ども家庭福祉 / 児童相談所 / 社会的養護 / 連携 / 協働 / 統合的アプローチ / ホロニカル・アプローチ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、子ども虐待事例に対する内的世界と外的世界を共に扱う統合的アプローチのモデル構築を行うことを目的とする。具体的には、文献研究と質的研究によって子ども虐待事例への統合的アプローチの仮説を生成し、量的研究によって仮説を検証することで、子ども虐待事例に有効な統合的アプローチに関する示唆を得ることを目指す。1年目の2021年度は、研究計画に基づき、研究課題1として、子ども虐待事例への統合的アプローチに関する文献研究を行った。特に、日本独自の統合的アプローチであるホロニカル・アプローチに関する研究を中心に行い、執筆及び学会発表を行った。具体的な研究成果は、以下の通りである。
1) 大学紀要『同朋福祉』に「ホロニカル・アプローチによるスーパービジョン -ホロニカル・スタディ法による共創型事例研究の実践」という論文を投稿し、掲載された。 2) 『子ども虐待事例から学ぶ統合的アプローチ -ホロニカル・アプローチによる心理社会的支援』(明石書店)という著書を出版した。 3) 日本心理療法統合学会(オンライン開催)で、「適切な観察主体を育む統合的アプローチ -ホロニカル・アプローチによる心理社会的支援のポイント」という研究発表を行った。 4) 2年目の2022年度の研究に向けてインタビュー調査のための研究倫理審査を受けて、研究の実施について承認された。
コロナ(COVID19)感染拡大の影響で、当初予定していた出張による対面での学会参加やインタビュー調査は実施できなかったが、オンラインでの学会参加や文献研究という形で、今後の研究の土台となる研究については進めることができたと思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目の2021年度は、コロナ禍の影響で、当初予定していた出張による対面での学会参加やインタビュー調査は実施できなかった。しかし、オンラインでの学会参加や文献研究という形で、2年目以降の研究につなげていく土台作りはできたと思われる。具体的な研究成果は、以下の通りである。
1) 大学紀要『同朋福祉』に「ホロニカル・アプローチによるスーパービジョン -ホロニカル・スタディ法による共創型事例研究の実践」という論文を投稿し、掲載された。 2) 『子ども虐待事例から学ぶ統合的アプローチ -ホロニカル・アプローチによる心理社会的支援』(明石書店)という著書を出版した。 3) 日本心理療法統合学会(オンライン開催)で、「適切な観察主体を育む統合的アプローチ -ホロニカル・アプローチによる心理社会的支援のポイント」という研究発表を行った。 4) 2年目の2022年度の研究に向けてインタビュー調査のための研究倫理審査を受けて、研究の実施について承認された。
以上のように、リサーチ、情報収集、研究成果発表と1年目の段階としては、おおむね順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目にあたる2022年は、2021年度に研究倫理審査を受けた研究計画に従って、子ども虐待事例に携わるさまざまな支援者を対象としてインタビュー調査を行う。これらの調査結果を踏まえて、子ども虐待事例に対する内的世界と外的世界を共に扱う統合的アプローチのモデル構築を目指す。具体的には、質的研究法の複線径路等至性アプローチ(TEA)により、統合的アプローチの支援プロセスのモデル化を試みる。また、修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ(M-GTA)により、統合的アプローチの支援者の視点や姿勢についてモデル化を行う。これらの研究により仮説を生成し、3年目以降に行う尺度開発などの実証的研究につなげていく。その際に、コロナ禍のため出張が難しいことが考えられるが、オンラインを活用するなどして研究を進めていく。
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Causes of Carryover |
コロナ禍で国際学会参加のための海外出張及びインタビュー調査のための国内出張ができなかったため、旅費及び謝金が未使用となった。次年度以降、可能であれば出張の可能性を模索するが、オンラインでの対応についても検討する。
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Research Products
(3 results)