2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of simplified dietary assessment tools (Quick Recall) for older adults.
Project/Area Number |
21K13506
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Research Institution | Shikoku University |
Principal Investigator |
鎌田 智英実 四国大学, 生活科学部, 講師 (50389160)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 食事調査法 / 高齢者 / フレイル / 栄養管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢者における24時間思い出し法の問題点を検討するため、地域在住高齢者22名(男性8名(70.9±5.0歳)、女性14名(71.6±5.0歳))を対象に写真法を併用した24時間思い出し法による食事調査および食事調査の実施内容に関するアンケートを実施した。 対象者のエネルギー摂取量は、男性2027±236kcal(たんぱく質:脂質:炭水化物=15.9%E:31.0%E:53.1%E)、女性2079±280kcal(たんぱく質:脂質:炭水化物=15.8%E:30.4%E:53.8%E)と推定された。24時間思い出し法による食事調査についてのアンケートの結果、回答が難しい項目として摂取量(50%)および調味料(27.3%)があげられた。摂取量を表現するためのツールとしては、食事に使用した食器をあげた者の割合が46%と高かった。また、調味料の回答が難しいと答えた者は67%が調理をしない者であり、回答には予め調理者の協力が必要であると考えられた。 思い出しにくい料理区分としては、副菜をあげた者の割合が18%と高く、聞き取り内容と食事写真を比較した際に、副菜は内容が思い出せない者や実際の写真とは異なる内容を回答している者がおり、思い出し法において注意が必要な料理区分であると考えられた。 対象者全体の推定エネルギー量は、写真法の併用なし(1970±249kcal)に対し写真法の併用あり(2061±256kcal)では100kcal程度の誤差が確認されたことから、高齢者の思い出しには写真法の併用が有用であると考えられた。一方、食事写真の撮影や食事調査があることが食事内容に与える影響として、間食、加工食品の利用を控えた者が24%、野菜の摂取量を増やした者が19%であり、特に写真法は彩りなどの見た目を33%の者が通常よりも気を付けたと回答しており、食事調査のバイアスとなることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の拡大が続き、調査を予定していた地域サロン活動の中止や調査補助にあたる大学生の学外での活動の制限等があり、当初計画していた日程での調査が困難であった。さらに、調査時の被験者および調査者の安全を考慮した結果、対面での聞き取り調査や当初計画していた調査項目(身体測定や口腔機能の測定等の被験者との接触を要する調査項目)での実施が困難であると判断した。これらのことから、今年度は調査人数、調査内容を再考せざるを得なくなり、当初の計画から実施内容を変更したため、進捗はやや遅れている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度は、当初計画していた高齢者の栄養管理において重要な栄養素および因子の検討を行う。65歳以上の高齢者を対象に、食事調査(食事記録法および食物摂取頻度調査法)を実施し、栄養摂取状況を把握するとともに栄養状態判定のための身体状況調査、口腔機能検査等により、フレイルおよび低栄養の要因に関わる栄養素を見出す。さらに、これまでの食事調査データや先行研究も踏まえ、簡易食事調査法において推定する栄養素項目を確定する。また、栄養摂取に影響する因子(買い物や生活状況、口腔状態、身体状況)についても検討を加え、調査項目を確定する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の拡大が続き、対面での調査に制限が生じたことから、調査対象者への謝礼、調査補助、データ集計のための人件費の支出が当初の予定よりも少なくなった。また、学術総会がWEB開催となる等旅費の使用も少なくなったため、次年度使用額が生じた。 令和4年度は、対面での調査を予定しており、調査地区への移動のための旅費、調査対象者への謝礼、調査補助、データ集計のための人件費に使用する予定である。また、データ集計用のパソコンおよび統計ソフトの購入を予定している。
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