2022 Fiscal Year Research-status Report
オランダのオルタナティブスクールにおける教師の指導性
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21K13513
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
奥村 好美 京都大学, 教育学研究科, 准教授 (30758991)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | オランダの教育 / オルタナティブスクール / 教師の指導性 / イエナプラン / ダルトンプラン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、オランダのオルタナティブスクールを主な対象として、子どもの自己学習力の育成と生きて働く学力の保障とを両輪として実現するための教師の指導性を具体的に明らかにすることを目的としている。2022年度の主な研究成果は、次の3つにまとめられる。 (1)オランダのイエナプラン教育の指導性に関して、文献研究を行なってきたことに基づき、その成果をまとめる作業を進めた。具体的には、イエナプラン教育における個別化・個性化教育の定義や考え方を整理した上で教育実践の内実を検討したり、基幹(ファミリー)グループ(学級)に着目して教師に求められることを整理したり、ワールドオリエンテーション(総合学習)の背景や発展、その特徴や論点について実践を交えながら明らかにしたりした。これらの成果は著書(分担執筆)等で刊行された。 (2)オランダでフィールド調査を行なった。具体的には、特定のイエナプランスクールにおいて、低・中・高学年それぞれのグループを1日ずつ訪問し、グループの文化や1日の流れをふまえて教師がどのような指導性を発揮しているかを調査した。その結果、オランダのイエナプランスクールでは、8年間をかけて長期的に子どもたちが目標を達成し、学習のオーナーシップを持ち、他者と共に学習に取り組んでいけるよう働きかけがなされており、その具体を事例を通じて示すことができた。この成果は、学術論文として刊行された。 (3)本研究で得られた知見を活かして学校等で教員研修の提供を行なった。それにより、オランダのオルタナティブ教育の知見をどのように日本で活かしうるかについて検討を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度は、コロナ禍によりフィールド調査を実施できなかった期間に進めていた文献研究に基づき、その成果を刊行することができた。また、オランダのイエナプランスクールで教師の指導性に関するフィールド調査を実施し、学術論文にまとめることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度も引き続き、文献研究に加えて、オランダでフィールド調査を行うことでオルタナティブスクールにおける教師の指導性の実態を検討することを予定している。今年度は、ダルトンプラン教育における教師の指導性の検討も進めていきたい。日本においてオルタナティブ教育に取り組む学校と共同研究も進める予定である。
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Research Products
(7 results)