2022 Fiscal Year Research-status Report
Guarantee and Compensation Education for Basic Education for Over-School Ages in Public Education System-Educational Governance Approach
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21K13519
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Research Institution | Takushoku University Hokkaidou Junior College |
Principal Investigator |
横関 理恵 拓殖大学北海道短期大学, その他部局等, 准教授(移行) (30847942)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 公教育制度 / 教育行政学 / 補償教育 / 夜間中学 / 自主夜間中学 / 不登校 / 外国籍の若者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、多様な学齢超過者の基礎教育保障のニーズを生じさせた公教育からの排除問題の発生のメカニズムと、それらの対策として義務教育制度内に夜間中学を存続せしめた補償教育政策の有効性について、教育ガバナンスの在り方という観点から分析し、公教育システム論の再構築を試みることである。本研究では、第1期1947~1954年(学齢児、日本人)、第2期1955~1969年(学齢超過者、日本人、在日韓国朝鮮人)、第3期1970~1998年、第4期1999年以降(学齢超過者、新渡日外国人)と4つの時期区分としている。 2022年度は2年目である。2021年度に引き続き、第1期から第3期までの対象として、公立の夜間中学自主夜間中学を対象として、主に、東京、大阪、京都を対象として夜間中学の成立過程やその背景を明らかにするために、現地調査をする予定としていた。しかし、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、現地調査を実施することが不可能となり、調査活動は大変厳しい状況となった。今年は、道外(東京)では学校保存資料調査を実施することができたが、大阪、京都では調査ができなかったので、道内(公立夜間中学、自主夜間中学)へ対象を切り替えて調査を実施した。コロナ禍のため、活動が中止していたり、外部者の立ち入り制限などの多くの制約があり、対面での調査活動は不可能だったが、オンラインを活用した非対面での調査活動や、少人数であれば調査活動が許される現地に限って調査を行うことができた。 結果として、オンラインを活用して継続的に夜間中学の現場の活動に加わりながら、文献、資料、調査データを収集することができた。また、来年度の調査に繋げられる人的ネットワークも構築することができた。さらに、公教育制度の根幹をなす義務教育法制度の在り方の検討を行うために、日弁連資料、全国夜間中学校研究会資料などの収集や整理、分析を行うことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初、予定していた現地調査は、新型コロナウイルス感染症拡大により実施不可能となったため、総合的に見れば、進捗状況は「やや遅れている」と判断できる。具体的には、当初、道外3件(東京、大阪、京都)を訪問調査を予定していたが、新型コロナウイルス感染症拡大のため、大阪、京都への訪問調査は不可能であった。それでも、東京のみ、資料調査を実施することができた。その他、次年度以降に調査計画をしていた北海道へ対象を切り替え、オンラインを用いて3件(札幌、釧路、函館)への聞き取り調査をすることができたため、「遅れている」ではなく、「やや遅れている」という評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症拡大により、2022年度に実施できなかった夜間中学の現地調査を実施する。ただし、コロナ感染症等の理由により、現地調査が難しい場合、対象を絞るか、もしくは、オンラインで実施することにする。主な研究推進方策は以下の通りである。(1)北海道の夜間中学(公立1、自主5)への訪問調査を実施する。(2)関西調査(大阪、神戸、京都)への訪問調査を実施する。(1)(2)の訪問調査では、関連資料の収集、夜間中学の存立の基盤形成、夜間中学の教育条件整備、外部とのネットワーク形成等のデータ収集を行う。(3)国の夜間中学設置動向に影響を与えている法制度、政策、関連団体の動向など文献調査、資料取集、関連団体へのインタビュー調査等を実施する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、移動に制約が生じて、道内外への現地調査ができなかったため、当初予定していたよひ予算を執行することができなかった。今後は、道内外への訪問調査も可能となると考えられるため、旅費として執行し、及び、事前調査に必要な文献、書籍を購入する予定である。
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