2023 Fiscal Year Annual Research Report
International Collaborative Learning that Promotes Community Building and Social Inclusion between International Students and Local Residents - A Practical Research
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21K13532
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中野 遼子 東北大学, 歯学研究科, 講師 (30801295)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 留学生支援 / 国際共修 / 地域交流 / 地域インターンシップ / インクルーシブな共生社会 / 地域コミュニティ / 社学連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、「国際共修」(末松ら, 2019)に着目し、「留学生と地域住民とのコミュニティ形成を促す国際共修の教育的効果とその成功要因」の解明を目的としている。具体的には、大阪大学周辺にある2つの商店街での「インターンシップ実習」の授業(以下、本授業)を通して、①留学生と地域住民の交流が双方に与える教育的効果、②留学生と地域住民とのコミュニティ形成を促進する成功要因、③地域社会のインクルーシブな環境づくりの促進要因、について留学生と地域住民を対象とした面接調査を実施して解明する。さらにそこから、他の地域においても活用可能な要因を特定し、様々な文化的背景を持つ人々と地域住民との交流を促す国際共修モデルの提案を行う。 最終年度の2023年度は、地域の環境や地域住民との交流が学生に与える教育的効果について、質的な分析を行った。その結果、本授業の学生は、様々な立場の地域住民と多様な文化的背景を持つ参加学生と共に活動し対話することで、1)リアルな日本社会を知り社会問題への関心が高まる、2)自分の内面について話せるようになる、3) 留学生バブルから抜け出して日本での居場所を得る、という3つの変化を経験していることがわかった。 上記の教育的効果があり、留学生と地域住民とのコミュニティ形成を促す本授業には、以下の5つの特徴がある。(1)学生の内面の成長を授業の教育目的にしている、(2)授業スケジュールが柔軟であり、新しい地域住民とつながる機会が多い、(3)授業に対話の時間を取り入れ、学生同士や地域住民との理解を深めることができる、(4)学生個人のバックグラウンドを深く知った上で授業内容をコーディネートしている、(5)学生と地域住民を繋ぐ「地域エージェント」が重要な役割を果たしている。これらの点は、留学生と地域住民との交流を促すための重要な要因であり、新たな国際共修モデルを提示することができた。
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