2021 Fiscal Year Research-status Report
Impact of cognitive and socio-emotional skills on agricultural workers' performance in developing countries
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21K13537
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
崔 善境 広島大学, グローバルキャリアデザインセンター, 助教 (70845619)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 認知的・社会情動的スキル / 労働成果 / 後期中等職 業教育 / インド ネシア・ベトナム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、開発途上国、その中でも著しい経済成長を達成しているインドネシア・ベトナムにおける認知的・社会情動的スキルが自営農業労働者の労働成果に与える影響を明らかにする実証研究である。当該年度(1年目)には、新型コロナウイルス感染拡大に伴う渡航制限により現地調査が不可能であった。そのため、具体的に実施された主な作業は、関連分野の文献レビューを集中的に進めるとともに現地調査に使われるアンケートシートの精緻化作業を行った。それと同時にまずインドネシアにおける労働市場の現状を把握するためにインドネシア家計生活調査データクリーニングを行っており、個人の労働成果に与える影響について検証するため、様々な定量分析モデルに関する文献収集や実証分析を行った。インドネシアでは前期・後期中等教育段階から普通教育と職業教育を選択することが可能となっており、最終学歴が低いグループでは普通教育より職業教育が労働成果に関する影響が高くなっていたことが分かった。この結果は、研究分析の初期段階であるため、相関関係を明らかにしたことでまだ因果関係を示しているものではないので因果関係を示す分析を準備している。この成果を2022年度以内に学会で発表を行うため、現時点で研究結果をまとめている。さらに、この結果がまた認知的・社会情動的スキルと関連しているのかについて分析をするため必要な変数加工を行っている。これとともに認知的・社会情動的スキルと労働成果に関する分析モデルに関する文献収集も行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度はコロナ禍の状況下で本研究の事例国であるインドネシア、ベトナムにて現地調査を実施することができなかったため、文献のレビューを中心に研究を遂行した。また、インンドネシア家計生活調査のデータサイズが膨大で細かく分離されているため初期分析をするにあたって十分な時間を使って細かくデータクリーニングを行った。認知的・社会情動的スキルが労働成果に与える影響を検証するためそれに関わる前段階の教育と労働市場成果について検証を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、定量分析におけるデータクリーニング、変数加工、ソフトウェアを使ったテクニカルな分析の面で予想以外時間がかかったため、海外・国内で本研究に関わる研究者のネットワークを使って積極的に助言を収集及び研究アシスタントを雇い、論文執筆にスピードアップすることを目指す。また定性分析アプローチにおける事例各国での現地調査を実施する。コロナ禍で現地調査を実施することができない場合には、現地の共同研究者に調査を行ってもらう。具体的には、現在職業教育を受けている学生を含め、職業教育を終えた人を対象としたインタビュー調査を行い、そこから得られた定量的・定性的1次データの分析を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症拡大にともなう渡航制限によって当時予定していた現地調査を実施することができなかったため旅費763,356円の残額が生じている。2022年度にその差額を消費するため現地調査を含め国際研究学会や研究会議に参加する予定である。
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Research Products
(2 results)