2022 Fiscal Year Research-status Report
開発途上国における教育格差のダイナミズムの解明―ミャンマーの国家発展過程を事例に
Project/Area Number |
21K13538
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
吉田 夏帆 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 講師 (10878383)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 教育格差 / 国家発展 / 基礎教育 / 修学実態 / 縦断的調査 / 開発途上国 / ミャンマー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、階層間の教育格差が著しく、国家の体制や社会・経済状態ならびに諸政策等も大きく変化してきた後発開発途上国のミャンマーの約半世紀にわたる 国家発展過程を事例に、階層ごとの個々人の修学状況の推移を分析する。さらにその結果、同国の階層間の教育格差がいかに変動してきたかについて明らかにする。そして、いかなる状況下で教育格差が拡大あるいは縮小するのか、その因果関係とダイナミズムを究明し、SDG4.1達成に資するより具体的な提言の抽出を試みる。研究2年目である2022年度は、本研究対象国のミャンマーの社会主義時代から現在にかけての社会や経済、諸政策等に関する文献調査ならびにデータベースの作成を進めた。加えて、都市部のデータを中心に、本研究課題に関するデータ分析も進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究2年目である2022年度は、当初の計画通り、本研究対象国のミャンマーの社会主義時代から現在にかけての社会や経済、諸政策等に関する文献調査ならびにデータベース作成を進めることができた。他方で、対象国の治安の問題により現地調査の実施は叶わなかったものの、都市部のデータを中心に、本研究課題に関するデータ分析を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究3年目となる2023年度においても、文献調査およびデータベースの構築作業は継続して行う。そして、構築したデータベースにもとづき、特に社会主義時 代から軍事政権時代を中心とした本研究課題のデータ分析、ならびに現地調査実施に向けての準備に取りかかる。さらに、研究対象国におけるクーデターがある程度収束して治安が改善し、現地への渡航が可能な状態になれば、現地調査の実施も計画している。同調査では、近年の学校記録データの収集や関係者へのインタ ビュー調査等を行う予定である。帰国後は、収集データの整理や追加のデータベース化などの作業に従事する。
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Causes of Carryover |
研究2年目となる2022年度においては、本研究課題の対象国であるミャンマーの治安問題等により、現地調査の実施が叶わなかったため次年度使用が生じた。今後の使用計画としては、現地の状況が改善し、現地調査の実施が叶えばその分の経費に充てる。他方で、もしも現地の状況が改善せず、引き続き現地調査の実施が叶わなくなった場合においては、本研究課題の進展に資するその他の経費に充てることで研究費を有効活用できるよう努める。
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