2021 Fiscal Year Research-status Report
Exploring related factors to address child malnutrition living in resource-limited settings
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21K13555
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Research Institution | National Institutes of Biomedical Innovation, Health and Nutrition |
Principal Investigator |
新杉 知沙 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 国立健康・栄養研究所 栄養疫学・食育研究部, 研究員 (30794185)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 子ども / 栄養不良 / 発育阻害 / 消耗症 / 過体重 / 身体発育状況 / 日本 / 低中所得国 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、国内外の子どもの発育段階(乳幼児期・学童期・思春期)それぞれにおける栄養不良に関連する成育環境要因の検討を行うことを目的とした。 2021年度は、タイ複数指標クラスター調査(MICS)を用いて、乳幼児における予防接種状況および水衛生行動と発育状況との関連について検討した。必須予防接種をすべて受けていた男児は発育阻害や過体重である可能性が低かったが、安全ではない水源を利用していた男児は過体重である可能性が高かった。また必須予防接種をすべて受けていた女児は消耗症である可能性が低かったが、排泄物が安全に処理されていなかった女児は発育阻害である可能性が高かった。子どもの健やかな発育のためには、こうした基本的な保健予防行動をさらに強化しユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)を推進していくことが、重要な栄養に配慮した介入となり得ることから、多分野間における連携した取り組みがより一層求められる。 また日本の乳幼児においても、乳幼児身体発育調査を用いて発育状況と社会関連要因との検討を行った。妊娠前の母親の体格、妊娠中の合併症、妊娠中の父親及び同居人の喫煙、在胎期間別出生体重、出生順位、母乳継続期間、離乳食開始月齢は乳幼児の栄養不良と関連がみられた。授乳や離乳食状況だけでなく、妊娠・出産時の要因が乳幼児期の子どもの発育に影響を与えることが示唆された。「最初の1000日」の栄養が特に重要であることが示されつつあるが、日本においても健やかな子どもの発育のためには、妊娠適齢期の女性の適切な食生活の促進をはじめ、妊娠中における継続的な母親の健康管理への支援、母乳継続や兄弟の多い家庭への子育て支援の拡充などが求められる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定どおり、国内外の乳幼児を対象とした栄養不良に関連する要因の検討を行った。データ解析を順調に進め、学会にて成果報告を行い論文を掲載また現在論文作成中であるため。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は日本の乳幼児を対象とした研究をさらに深めさらなる研究成果の公表を目指す。
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Causes of Carryover |
(次年度使用額が生じた理由)学会参加のための旅費がオンライン開催により使用しなかったこと、また論文作成に時間を要し英文校正費・論文掲載費を年度内に計上しなかったため。 (使用計画)英文校正費および論文掲載費等の成果公表費に充当する予定である。
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Research Products
(3 results)