2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K13562
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Research Institution | University of Tokyo Health Sciences |
Principal Investigator |
内尾 優 東京医療学院大学, 保健医療学部, 助教 (10893844)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 頭部変形 / 運動発達 / 医療的ケア児 / 枕 |
Outline of Annual Research Achievements |
在宅での医療的ケア児を対象に頭部変形と運動発達の関連を明らかにすることを目的とした。本邦において在宅での医療的ケア児を対象に頭部変形評価について体系的に調査された報告はない。まず頭部変形評価のうち、非対称性な頭蓋変形の分類としてArgentaらの分類が用いるが、観察的評価であること、信頼性について検証された結果が少ないことから、Argentaらの分類の評価について評価者間信頼性を検証した。方法は、在宅で20名の医療的ケア児を対象に日頃から小児理学療法に従事している2名の理学療法士にて同日に頭部変形評価を行った。検証した結果、評価者間での高い一致率を認めたことから在宅での医療的ケア児の頭部変形評価としてArgentaらの分類は高い評価者間信頼性を確認できた。 そのうえで、各評価者が在宅にて医療的ケア児の頭部変形評価、運動発達の調査を行った。現在、42名の医療的ケア児の評価が終了している。頭部変形評価にはArgentaらの分類、頭囲計測、頸部の可動域、運動発達にはアルバータ乳幼児運動発達検査法を用いた。結果としては、医療的ケア児の非対称な頭蓋変形の程度は分類Ⅰ~Ⅲと軽症~中等度が多かったが、発症頻度は高い傾向であった。医療的ケア児は、出生後の新生児集中治療室や病棟等の入院中から在宅に至るまで治療による安静や医療的ケアにより一般乳幼児に比べ臥床する時間が長い場合がある。これらの医療的ケア児は、背臥位の姿勢にて非対称な外力を頭部に受けやすいことから非対称な頭部変形が生じやすいと推察される。今後、頭部変形と運動発達との関連について解析を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に沿った評価が進められている。頭部変形評価の信頼性を検証することに時間を要したため若干予定症例数に到達していないが、最終年度前半には評価を終了できる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は観察的評価である頭部変形評価の信頼性を確認し、医療的ケア児の頭部変形評価、運動発達評価を進めることができた。さらに評価症例数を増やしてこれらの関連について検討していく必要がある。 その後、非対称な頭部変形が生じやすいことが予想される児を明らかにし、それらの児に対して頭部変形予防を目的とした介入研究を行う。具体的には、継続的に枕を使用することによる頭部変形予防効果を検証する。またその頭部変形がその後の運動発達にどのように影響するかについても検証する予定である。
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Causes of Carryover |
予定症例数に到達しなかったことにより実験・調査による旅費に残額が生じた。
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Research Products
(13 results)
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[Book] 小児理学療法学2022
Author(s)
石川朗、奥田憲一、松田雅弘、三浦利彦
Total Pages
212
Publisher
中山書店
ISBN
978-4-521-74816-0