2021 Fiscal Year Research-status Report
保育における幼児の「集団所属感」のアセスメントツール開発に関する研究
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21K13565
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Research Institution | University of Shizuoka,Shizuoka College |
Principal Investigator |
名倉 一美 静岡県立大学短期大学部, 短期大学部, 助教 (80548222)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 所属感 / アセスメント / 居場所 / 集団保育実践 / 幼児期後期 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、幼児期後期の4・5歳児が、自分自身をクラス集団の一員であると主観的に感じていることを「集団所属感」と定義し、その実態把握を行うために開発した2つのアセスメントツールについて、妥当性と信頼性の再検証を行うとともに、実践で活用する際の効果と課題点を明らかにすることが目的である。 2021年度は、「幼児へ直接口頭質問を行うアセスメントツール」の妥当性の再検証を行うため、インターネットによるアンケート調査(外部委託)を実施した。質問項目は、①保護者による幼児(5歳児)への口頭質問(アセスメントツール)、②保護者からみた幼児の実態に関する質問、③保護者による担任保育者評価に関する質問である。有効回答数448のデータから、①と②の回答について関連分析を行い妥当性を再検証した。その結果、アセスメントツール項目の合計点と、各項目の妥当性が明らかとなった。一方で、特定の項目の妥当性はついては明らかにできず、アセスメントツールにおける今後の位置づけに検討を要することも示された。引き続き、①と③の回答の関連分析も行い、再検証の蓄積を図っている。 続いて2021年度は、「観察用集団所属感アセスメントツール」について、信頼性の再検証及び実践での活用における効果と課題点の分析を行うため、ある途中転入児を対象に、保護者インタビューと担任保育者によるアセスメントを実施しデータ収集を行った。得られたデータは2022年度中に分析する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に予定していたインターネット調査(業者委託)を予定通り実施し、「幼児の口頭質問による集団所属感アセスメントツール」の妥当性再検証のための必要なデータ収集を行うことができた。また、分析結果の一部の発表も行った。 さらに、研究開始当初は2年目以降に行う予定だった「観察用集団所属感アセスメントツール」の信頼性再検証に関する調査について、2021年度中に調査対象に適した幼児が見つかったため、保護者及び担任保育者の協力のもと、初年度中にデータ収集を実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度に実施したインターネット調査のデータについて、さらに追加分析を行い、「幼児の口頭質問による集団所属感アセスメントツール」の妥当性再検証の結果をまとめ公表していく。 また、2021年度に収集した「観察用集団所属感アセスメントツール」のデータ分析を行い、信頼性の再検証や、実践にて保育者が活用する際の効果や課題点について整理を行い、結果を公表する予定である。
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