2023 Fiscal Year Research-status Report
学校における教育活動及び教育環境と児童生徒のレジリエンスに関する研究
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21K13567
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
原 郁水 弘前大学, 教育学部, 准教授 (50794129)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | レジリエンス / 学校 / 環境 / 高校生 / 小学生 / 中学生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、学校における教育活動及び環境が児童生徒のレジリエンスに及ぼす影響について検証することを目的としている。 本年度は学校の環境面とレジリエンスに着目した予備調査をまとめ学会で発表した。様々な学校に所属する教員及び養護教諭36名を対象にした調査であり、学校全体のレジリエンスと学校環境に関する5件法による質問への回答と自由記述の質問項目への解答を依頼した。t検定の結果「児童生徒は学校のルール(校則)について納得している」「学校で先生方は児童生徒に期待している」「学校で児童生徒は先生方から見守られていると感じている」「学校ではほとんどの児童生徒に一人以上の信頼できる先生がいる」等の項目と学校全体のレジリエンスの間に関連があることが示された。また、女子大学生250名を対象に回想法による高校時代のレジリエンスと学校環境に関する調査を実施した。Hendersonらによるレジリエンスを高める学校環境である「向社会的な絆」「明確で一貫した境界」「ライフスキル教育の実施」「思いやりと支援の提供」「高い期待の設定と伝達」「有意義な参加の機会の提供の」6つの要素を基に尺度を作成し因子分析の結果「教師への信頼」「学校での安心感」「助け合う環境」の3因子を抽出したこれらは全てのレジリエンスの項目との相関が有意であった。 また、継続して調査している学校環境と児童生徒のレジリエンスについて第2回目の調査を実施した。今後はこのデータを基に分析を行い学会発表や論文投稿を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予定していた継続調査を終えたが、データの内容などから、再度調査を実施することで、より研究の精度が高まると考え、継続調査を検討している。そのため進捗状況はやや遅れているとしている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の方策については様々な学校環境にいる小中学生の継続的なデータの獲得と分析を実施し学会誌や学会発表などで公表する予定である。
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Causes of Carryover |
今年度は主に調査のためのリサーチ代行料が最も支出として多くなっていた。次年度に再度調査を行うために次年度使用額が生じている。使用計画としてはリサーチ代行料と旅費等に使用する予定である。
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