2021 Fiscal Year Research-status Report
A Historical Study of Physiology Education in the United States at the Turn of the 20th Century
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21K13594
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Research Institution | Tezukayama University |
Principal Investigator |
日高 翼 帝塚山大学, 教育学部, 講師 (40821525)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | アメリカ / 生理学 / 教科書 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,19世紀末から20世紀初頭にかけてのアメリカの初等・中等教育における人体生理学に関する学習の歴史的展開を明らかにするため,当時実際に学校で用いられていた教科書や実習書といった教材レベルでの変化を子細に捉えるとともに,各種報告書や当時の論文等をもとにその変化のファクターを歴史的に解釈することを目指している. 本研究課題について,2021年度は初等教育における人体生理学領域を扱う教科目の設置状況(設置率・履修率)について,各種の調査報告の中から抽出し整理することを予定していた.ところが,新型コロナウイルスの影響により,アメリカからの文献入手が充分にできなかった. そこで,2022年度に実施予定であった教科書や実習書の内容分析のうち,手元にある教科書や実習書を素材としながら分析を進めた.19-20世紀初頭アメリカの中等教育における「自然誌」,「植物学」,「動物学」,「生理学」,「生物学」教科書の「性」に関わる扱いを抽出・整理を行った結果,ヒトを中心に扱うことを前提とした「生理学」でさえ,ヒトの生殖や発生など性に関連する部分の記述が完全に抜け落ちていることが明らかとなった.動植物に関する当該領域の学習は存在したにもかかわらずである.むしろ,ヒトの性を話題にすることを積極的に避けているように思えるほどであった.このように限定的ではあったが,中等教育における「生理学」やその周辺の扱いについて,特質を捉えることができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルスの影響のため,アメリカの関係大学や図書館の閉館や業務縮小が生じ,文献の入手が充分に行えなかったため.
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルスの状況として,社会活動との共存の方向に進みつつある.このことから,今年度は文献入手が可能となることが予想される.2021年度に進行予定だったものを,2022年度のできる限り早い段階で完了させ,2022年度中に当初の計画に追いつけるように研究を遂行していく.
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響により,アメリカからの文献取り寄せが困難となったため,研究に遅れが生じた.1年目の計画について2年目の初期にできるだけ早く取り組み,研究の遅れを取り戻していく予定である.
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Research Products
(1 results)