2021 Fiscal Year Research-status Report
医療系大学生と地域高齢者とのオンラインと対面のハイブリッド型学外教育の効果検証
Project/Area Number |
21K13607
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Research Institution | Kinjo University |
Principal Investigator |
野口 雅弘 金城大学, 医療健康学部, 准教授 (40454243)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ヘルスプロモーション / 健康増進 / 学生教育 / オンライン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大で、対面型の地域高齢者と交流するヘルスプロモーション活動が困難となった中、オンラインツールを用いたヘルスプロモーション活動を実施することを目的とした。 まずパイロットスタディとして、オンラインツールを用いた集団体操を実施し、その有効性を参加者のアンケートから検討した。石川県の2か所の高齢者サロンに協力を得て、大学とそれぞれの高齢者サロンを繋ぎ、集団体操を実施した。その結果、多くの参加者は活動的で運動能力が高いことが示唆されたが、うつ傾向が強いことが示唆された。POMS2の多くの項目で有意に改善がみられたことから、オンラインでの集団体操は気分を改善し、うつ傾向改善にも期待できる可能性があることが示唆された。 この結果から、複数の高齢者サロンを繋いだ継続的な介入を試みたが、COVID-19の再拡大により研究活動が制限され、実施が難しくなった。そこで商業施設での高齢者へのヘルスプロモーション活動を企画し、実施した。大型商業施設で地域高齢者を集めて、集団体操やウォーキングの指導を行い、その他にオンラインでの体操指導や生活状況の確認を行うハイブリッド型の活動とした。指導は学生も参加し、学生の社会性もプログテストとアンケートを用いて評価した。活動は、4か月間に月1回程度の対面実施(4回)、4か月間で2回のオンライン実施とした。その結果、参加者の歩行機能は保たれ、運動機会も高く維持された。しかしながら、骨格筋量はやや低値で示され、サルコペニアの危険性が示唆された。また、学生のプログテストの結果は大きな変化は見られなかったが、世代間交流でのコミュニケーション能力の自己評価は高まる傾向が見られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究はCOVID-19の感染拡大状況を鑑みて、オンラインでのヘルスプロモーション活動の効果を検証するものであるが、2021年の夏季には予想を超える感染拡大があり、オンラインでの活動をするための準備活動も行えず、計画が中断してしまった。実際の活動はオンラインで行うため教員や学生と参加者の対面接触は必要ないが、その準備のために一部の教員や学生が現地に行かなければならず、少なからず対面接触が必要になる。それに関する大学などの行動制限があり、活動が難しいことが多くなった。またまん延防止等重点措置などの行政措置が行われると、地域の公民館などの公的施設の使用も制限されるため、高齢者サロンの開催も困難になってしまった。以上の理由により、研究活動が進まないことが一時期に継続した。 秋以降に感染が落ち着いた段階で、新しい大型商業施設を利用した活動を実施することで、大学内の施設が利用できなくても研究の実施が可能となり、対面とオンラインでのハイブリッドでの活動を学生とともに行うことができた。今後も感染状況を確認しながら、必要な活動を実施していく。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は感染状況も落ち着いていることから、以前のような高齢者サロンを対象とした活動を再度行っていく予定である。また、感染状況がどう変化するか全く予測できないことから、2021年に実施した商業施設での研究活動も同様に実施し、研究データを増やしていく予定である。
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