2021 Fiscal Year Research-status Report
公共政策学地域づくりPBLモデルの開発と評価ーSOFARモデルを基盤としてー
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21K13608
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
村上 紗央里 同志社大学, 人文科学研究所, 嘱託研究員 (70876218)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 公共政策学教育 / 地域づくりPBL / 問題意識の涵養 / SOFARモデル / シティズンシップ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、学士課程段階における公共政策学教育の体系的研究を土台とし、SOFAR(Students, community Organization, Faculty, Administrators, community Residents)モデルを対象とするアセスメントをもとにした公共政策学教育地域づくりPBLモデルと評価指標を開発することである。 2021年度は、実態把握調査研究として、これまでの研究対象である同志社大学政策学部のPBL実践を対象に、学生の学習成果を検討した。その成果として、2022年6月に公刊される書籍『公共政策学教育の現状分析-ポリシー・カリキュラム・教育実践-』に所収される「第5章第5節 同志社大学政策学部新川ゼミにおけるPBL」を執筆した。また、本書では、「第6章公共政策学教育における資格教育プログラム-地域公共政策士資格制度について-」を執筆した。2022年度からは、地域づくりPBLに関して、地域公共政策士資格制度参加校調査研究によって、複数大学の事例の比較を通じた検証を進める計画である。2021年度は、その前準備として、地域公共政策士資格制度の開発経緯、理念、枠組み、目標といった基本骨格を明確にする作業を進めた。 あわせて、日本の公共政策学教育におけるソーシャル・イノベーション教育について、「Education for Social Innovation in Higher Education」を日本ソーシャル・イノベーション学会の国際交流セッション「ソーシャル・イノベーションの実践と教育」において発表し、日本の高等教育におけるソーシャル・イノベーション教育の拡大について報告した。 海外事例研究について、ポートランド州立大学パブリックサービス実践・研究センター主催の「地域社会連携型教育」教授法ワークショップへ参加した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
地域づくりPBL事例研究について、2021年度は、SOFARモデルにおける地域住民や大学執行部へのインタビュー調査の基礎として、地域づくりPBLにおける学生の実際の活動とそこでの学びと成長についての研究を進めた。インタビュー調査の基礎となる視点を定めることができた。 事例比較研究に向けて、2021年度は、2022年度に展開する地域公共政策士を運営する地域公共政策機構・事務局への聞き取りを行い、地域住民や大学執行部へのインタビューのための背景情報や現状を把握できた。 海外事例研究に向けて、調査先との関係構築を行い、2022年度からの調査の下準備を進めることができた。 以上により、本研究課題は、当初の計画通りに順調に進んでいると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
海外事例研究と事例比較研究として、2022年度は、ポートランド州立大学にて展開されている地域連携教育プログラムのコミュニティ組織や運営組織、大学執行部といった組織や背景の政策プロセスを調査分析する。また、教員と学生への聞き取りを行い、日米の地域づくりPBLの学生の学びと成長を比較しながら、地域づくりPBLの学びのモデルと指標を構築していく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスのため、海外事例調査研究による渡航ができなかった。2022年度に使用する予定である。
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