2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of ADHD-support applications using low-cost wearable devices
Project/Area Number |
21K13623
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
張 帆 関西学院大学, 工学部, 助教 (30825328)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ADHD / EDA / Wearable device / biofeedback / 可視化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、ADHD支援を目的とした低コストウェアラブルデバイスおよび関連アプリケーションの開発において、多数の改良と実験が行われました。特に、ウェアラブルデバイスの設計において重要な進展があり、受信部とフィードバック部を物理的に分離することで、装着時の足の負担を大幅に軽減しました。この改良により、センサーの干渉が減少し、結果としてデータのノイズも低減され、より清潔で正確な読み取りが可能となりました。 また、データ受信と処理を行うWEBベースのアプリケーションの開発も進められ、時系列データと動画データを同時に表示する機能を実装しました。この新機能により、ユーザーはマインドワンダリングの際の行動や生理指標をリアルタイムで分析できるようになり、学習や行動のモニタリングが格段に向上しました。これにより、研究者やユーザーがADHDの症状をより効果的に管理し、対応するための具体的な洞察を得ることが可能になります。 実家でのパイロット実験を通じて、ユーザーから得たフィードバックを基に、ユーザーインターフェースの改善や誤作動を低減するためのアルゴリズムの最適化が行われました。これらの改良により、ウェアラブルデバイスとアプリケーションはさらに使いやすく、日常生活におけるADHDの管理に役立つよう進化しました。 今後もこのプロジェクトは、継続的な開発と改善を重ね、ADHDを持つ個人がより良い生活を送れるよう支援することを目指します。研究成果は引き続き学術会議や論文での発表を通じて共有され、広く社会への貢献を目指しています。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画に従い、ウェアラブルデバイスとWEBベースのアプリケーション開発が主軸となるこのプロジェクトは、全体的に予定通りに進行しています。今年度、システムの開発をほぼ完成させることができ、具体的な家庭でのパイロット実験を実施しました。実験から得られたフィードバックに基づき、ユーザーインターフェースの改良や、手足の動きによる誤作動を減らすためのアルゴリズム更新を行いました。
これにより、デバイスのユーザビリティと機能性が向上し、実際の使用状況における有効性を確認することができました。特に、親が操作を簡単に行えるようUIを再設計したことは、全体的な受け入れ率を高める重要なステップでした。
さらに、アルゴリズムの改良により、データの精度と処理速度が改善され、より信頼性の高いフィードバックが可能になりました。現在、この成果をもとに、さらなる試験と改善を続けており、最終的な製品の完成に向けて着実に前進しています。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度、ウェアラブルデバイスとアプリの統合システムに対してさらに広範なパイロット実験を展開します。これにより、様々な環境下でのデバイスの性能とアプリの有用性を詳細に検証し、ユーザーからの直接的なフィードバックを収集します。収集したフィードバックは、システムの継続的な更新と改善の基盤となります。
特に、ユーザビリティとデータ処理の精度を重点的に見直し、操作の簡便性とデータの信頼性を高めるための改良を行います。このプロセスを通じて、システムの全体的な耐久性と効果を確認し、ADHD支援としての実用性をさらに強化します。
実験と改善を繰り返すことで、最終的には広範囲にわたるユーザーに対応可能な製品を市場に提供する準備を整えます。また、研究成果は積極的に学術会議や論文で発表し、技術的な進展と社会的な貢献を共有します。
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Causes of Carryover |
次年度の使用額が生じた主な理由は、基本開発費の節約と開発部品や消耗品の使用を効率化したことにあります。これにより、予算内で余剰資金が発生しました。この余剰資金を有効活用するため、研究プロジェクトのさらなる発展とデータの質の向上を目指し、参加者の拡大と新たな調査ツールの開発に使用する計画です。
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