2022 Fiscal Year Research-status Report
医学的背景のある不登校児のオーダーメイド加療プログラムの構築
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21K13629
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
井上 建 獨協医科大学, 医学部, 講師 (00531732)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 概日リズム睡眠覚醒障害 / 不登校 / 心身症 / 神経発達症 / インターネットゲーム障害 / 高照度光療法 / ランダム化比較試験 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度は、不登校を伴う概日リズム睡眠-覚醒障害の小児に対する高照度光療法(以下BLT)のランダム化比較試験を継続して行った。 対象者の条件は、6-15歳(小学校1年生から中学校3年生)、性別は不問、不登校(文部科学省の定義に準じるが睡眠障害や発達障害などの医学的背景は含める)、概日リズム睡眠-覚醒障害(睡眠障害国際分類第 3 版の診断基準)、除外基準(知的能力障害、被虐待児、染色体異常症、先天奇形症候群、重度な身体疾患)をすべて満たす患児である。これらの条件を満たし、書面での同意が得られたものを対象とした。 令和4年度には、目標症例数の40名のリクルートを完了し、順次、元気☆生活プログラムの単独群(単独群)と高照度光療法を併用する群(併用群)に割り付けた。40名中、破壊行為による強制退院1名、BLTの拒否1名、入院後の発熱のため中途退院1名、の計3名がドロップアウトし、37名を対象とした。平均年齢は14.2歳(標準偏差1.1)、性別は男子23名、女子17名、介入の割り付けは単独群19名、併用群18名であった。令和5年3月現在もデータ収集を継続中である。 また、不登校と概日リズム睡眠-覚醒障害に影響を及ぼす発達障害の一つであるチック症に関してリモートかつグループで加入するCBITを開発実践した。これに関して学会報告を行い、論文発表をした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和4年度も新型コロナ対策のため一般病床の感染対策は厳重に行われていたため、本研究の対象となる患者の入院数は2名までに制限されていた。そのため進捗はやや遅れていたが、令和4年度中に予定症例数40名の登録を完了できた。
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Strategy for Future Research Activity |
単独群、併用群(光療法群)ともに、介入中3週間、介入後6か月間にわたり縦断的に評価を継続している。今後は得られた臨床データについて、主要評価項目を不登校状態、副次評価項目を眠りの問題と概日リズムとし、高照度光療法の効果について統計解析を実施する予定である。 さらに、不登校状態を目的変数、発達障害の程度、ゲーム依存の程度、家族関係、精神症状(抑うつ、不安)、学校適応などを説明変数として、不登校に影響を与える因子について大変量解析を実施予定である。また入院診療のみでなく、外来診療についてでも不登校と上記の説明変数の関係について横断的調査を行う予定である。
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Causes of Carryover |
現在データ収集および入力作業を継続中であり、統計解析が未実施であるため次年度使用額が生じた。収集データの入力および解析等に次年度使用額を2023年度に使用予定である。
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