2021 Fiscal Year Research-status Report
低出生体重児の書字障害に必要な支援の為の、病態分析とスクリーニング法の開発
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21K13632
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Research Institution | Osaka Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
福井 美保 大阪医科薬科大学, 小児高次脳機能研究所, 非常勤講師 (70782241)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 低出生体重児 / 早産児 / 書字障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、VLBWIにおける書字の問題について病態分析とそれをもとにチェックリスト作成を目的としている。書字障害は形が覚えられない、手本通り書けない、筆順が覚えられないといった訴えであり、認知機能では、視覚記憶、視空間認知、視覚的注意など視覚情報処理能力や注意機能、巧緻性の悪さ(不器用)協調運動が関与すると考えられている。これらの認知機能は、VLBWIでは低下を認めるとの報告が多く、VLBWIにおいて重要な問題であると考えている。2021年度は、早産児の書字困難の現状を把握するために、小学4~6年生の早産極低出生体重児の書字能力の状況と、書字障害に関わる認知機能検査(視覚認知機能、注意機能評価、言語機能評価、運動機能評価)を行う予定であった。しかし、2020年から続く、新型コロナウイルス感染症の流行のため、対象児を集めての検査が困難であり、新規のデータを集めることを進めていくことができなかった。また、既存のデータについては、過去に受診した早産極低出生体重児の人数やすでにある認知機能評価の確認を進めており、書字の困難さの有無との関連性などについての検討を始めているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型ウイルス感染症に伴う、緊急事態宣言、まん延防止重点措置が行われており、検査を実施できなかった。また、主任研究者の異動にともない、研究実施において業務調整を行う必要があったため。
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Strategy for Future Research Activity |
過去に大阪医科薬科大学LDセンターで検査を行った児に関するデータから、書字に関する情報を整理し検討することをすすめていけるよう、業務調整に努める。また、感染の状況に合わせて、早産極低出生体重児に対する書字に関する検査を実施することを検討している。しかし、次年度も十分な対象者を集めることが困難である可能性もあるため、学校での問題や心配な点などについてのアンケート調査なども検討し、特別支援教育の充実につなげていく情報を提供できるように進めていくことも考えている。
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Causes of Carryover |
2021年度も新型コロナウイルス感染症の流行により、研究の遂行が滞っていた。検査にかかわる人件費、謝礼、また学会(国際学会を含む)への参加費などが使用できなかった。次年度は、感染状況に合わせながら、可能であれば対面での検査の実施やアンケート調査への変更などを行い、検査データの収集を進めていく予定である。そのための人件費、郵送費などとして使用していく予定である。また、今までの結果の統計処理、論文化進めていくことを予定している。
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