2021 Fiscal Year Research-status Report
Method for Promoting the Experience in Identifying Fake Articles by Using Posts of Correction and Opinion Trends
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21K13637
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Research Institution | Tsuda University |
Principal Investigator |
大沼 亮 津田塾大学, 学芸学部, 助教 (60829729)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 見極め経験促進 / フェイク記事 / ソーシャルメディア / 訂正記事 / 意見動向 |
Outline of Annual Research Achievements |
ソーシャルメディア上の投稿記事は有用だが,フェイクやデマが混在している.ゆえに,記事の信憑性を見極めるファクトチェックが重要だが,その能力育成方法は確立されていない.本研究では,「ある記事を,他者がどう見ているか」を意識したファクトチェックを未熟者自身に行わせることによるフェイク記事の見極め経験促進手法の実現を目指す.そのために,フェイクの可能性のある記事を訂正記事と共に抽出する手法,記事に対する他者の反応を意見動向別に自動的に整理・蓄積する手法,および,これら切っ掛け情報を未熟者に提示し,経験状況に応じて増減させる能力育成方法を開発する.これらの手法に基づいて支援システムを開発することで,フェイク記事を見極める実際的な経験の積み重ねのための新たな支援の可能性を示す.
2021年度は,主に,フェイク記事候補に対する反応分類手法の開発に取り組んだ.まず,ソーシャルメディア上のフェイク記事について,「話題を集めやすい投稿記事」「投稿内容について訂正する記事」「それらの記事への返信・引用の傾向」などの実際様態を観察・分析した.次に,実際様態の分析結果を踏まえ,ソーシャルメディア上の訂正記事を抽出し,その特徴を分析した.さらに,抽出した訂正記事に紐づいた返信・引用関係について分析し,フェイク記事候補の抽出手法,および,記事候補に対する他者反応の分類手法の開発・モジュール化に取り組んだ.また,これらの切っ掛け情報を経験状況に応じて増減させる能力育成方法について検討した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度に予定していた「フェイク記事候補に対する反応分類手法の開発」を実施することができ,概ね予定通りのスケジュールで進んでいると考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は,主に,フェイク記事見極め経験促進システムの開発・検証に取り組む.まず,前年度に開発したモジュールをサブシステムとする形で,ソーシャルメディア上の記事の収集から,その分析に基づいたフェイクの可能性のある記事候補の抽出,記事候補に付随する他者の意見動向の分類,これら意見動向の視覚的提示までを担う支援システムのプロトタイプを開発する.その上で,開発したフェイク記事見極め経験促進システムを,大学研究室の学生に実際に適用・実践試用し,提案手法の有効性を検証する.
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Causes of Carryover |
(理由)2022年度は,プロトタイプ開発を円滑に実施し,検証作業を丁寧に行う必要があると見込まれるため. (使用計画)支援システム開発・実践に十分なスペックのマシンを購入し,検証作業のための打合せを実施する予定である.
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