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2021 Fiscal Year Research-status Report

正課と正課外の学習活動の往還による越境学習の支援デザイン

Research Project

Project/Area Number 21K13638
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

山本 良太  東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 特任助教 (00734873)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywords越境学習 / 正課教育 / 正課外学習 / 学習支援 / 大学教育
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、正課と正課外の学習活動を往還することによる教育的意義を明らかにし、そのための教育支援を提示することである。令和3年度および4年度は、「学生は正課と正課外の学習活動を往還する中でどのような学習成果を獲得しているのか?」という問いへの回答を得ることを目指している。
特に令和3年度では、具体的な学習成果の想定として「キャリア展望」を置き、その観点から正課と正課外がどのように関連付き、またその往還が生じているのかを試行的に調査した。キャリア展望を観点として位置づけた理由として、大学における4年間の正課と正課外の関連に関する研究群からキャリア展望が検討されているものの、具体的なそれらの往還からどのようにキャリア展望が発展するか十分検討されていなかったためである。
調査の結果から、大学教育全体としてキャリア展望を常に意識させる構造が存在すること、没入を伴う学習経験からキャリア展望を具体化・発展させるためのきっかけを得ること、授業等正課教育の過去の経験を掘り起こしつつ正課や正課外の学習活動を発展させること、が分かった。
本研究より得られた知見は、キャリア展望の発展という限られた観点に基づくものであるが、学生は様々な形で成果と正課外を往還させ、またその往還を促すための環境的な要因が大学の教育課程に埋め込まれている可能性があることが分かった。そのため、学生の様々な形態の正課および正課外の往還プロセスを検討すること、個人に加え学生を取り巻いている様々な環境や状況的要因を含めた調査を行うこと、さらにこれらの往還を支え導く教育的な支援の在り様とはどのようなものなのかを検討することが、今後必要であると明確化された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

令和3年度および4年度にて、様々な正課外学習に取り組む学生に対しインタビュー調査を行い、学習成果や正課と正課外の往還の形態を捉えることを計画していた。令和3年度は、大学在学中に休学し1年間課外活動に取り組んだ経験を持つ卒業生を対象に、キャリア展望の発展という観点に基づく回顧的なインタビュー調査を行い、得られたデータを分析した。また、学生による正課外活動の立ち上げに支援者として関与し、その活動へと十全に参加する学生を対象とした、正課における学習と正課外の学習活動との関連や往還の形態、さらには支援者としてどのような関与や介入が学生の行為に影響していくのかを調査するためのフィールド作りに取り組んだ。
しかしながら、具体的なフィールドでの調査は卒業生に対する回顧的なインタビュー調査のみにとどまり、現在進行中の正課外活動へ積極的に参加する学生を対象とした、正課と正課外の学習活動の意味付け方や関連付け方を調査するに至らなかった。また、往還による学習成果についてもキャリア展望以外の観点からも検討が必要である。
調査を計画通り遂行できなかった要因として、新型コロナウィルス感染症の拡大による正課外活動の制限や、インタビュー対象者選定のための予備調査(調査候補者に対する予備調査や具体的な活動状況の観察等)やラポール形成等が十分に行えなかったことが挙げられる。従って「やや遅れている」と評価した。

Strategy for Future Research Activity

令和4年度は、令和3年度に引き続き正課と正課外活動双方への積極的な参加が見られた卒業生を対象とした回顧インタビュー調査を行うとともに、立ち上げに支援者として関与した正課外活動に参加する学生を対象としたインタビュー調査に取り組む。特に現在進行中の正課外活動に参加する学生を対象としたインタビューでは、正課と正課外の往還の形態、そこでの学習成果を探索的に調査するとともに、支援者としての役割についても同時に検討する。具体的には、実践研究として調査者のどのような関与や介入によって、対象である学生の認識や行為に変容が生じるのかなどを含めて調査する。
また、研究者が関与しない正課外活動に参加する学生を対象とした同様の調査も進め、支援を含む学生を取り巻く環境要因が、正課と正課外に対する意味づけや往還の形態などに与える影響、さらにはそれによる学習成果への関連などを検討する。
インタビュー調査の方法について、令和4年度も引き続き新型コロナウィルス感染症への配慮が必要であり、また感染症の拡大に伴い調査が制限される可能性も考えられる。従って、可能な限りオンラインにて調査ができるよう、環境を整備し遅延が生じないように対策を講じる。

Causes of Carryover

令和3年度は、新型コロナウィルス感染症の拡大に伴い出張を伴う調査を実施することができなかった。そのため、旅費として計上していた予算を執行することが困難であり翌年度に繰り越した。
令和4年度では、前年度に実施できなかった出張を伴う調査を行い、正課外学習に参加する学生を対象としたインタビューを実施する。繰り越し分の費用は、その調査旅費として使用する。しかしながら、感染症の再拡大等から、令和3年度と同様に出張を伴う調査に制限がある状況が続くようであれば、適宜旅費の一部をオンライン調査を実施するために必要な物品等を整備するための費用とし、当初の計画から遅延が生じないよう計画的に研究を遂行する。

  • Research Products

    (1 results)

All 2021

All Journal Article (1 results) (of which Open Access: 1 results)

  • [Journal Article] 正課と正課外の学習活動の往還によるキャリア展望の具体化に関する研究2021

    • Author(s)
      山本 良太、鈴木 慶樹
    • Journal Title

      日本教育工学会研究報告集

      Volume: 2021 Pages: 25~32

    • DOI

      10.15077/jsetstudy.2021.4_25

    • Open Access

URL: 

Published: 2022-12-28  

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