2022 Fiscal Year Research-status Report
Effects of Conversation with Future Self in VR on Career Development and Mental Health
Project/Area Number |
21K13643
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
千島 雄太 筑波大学, 人間系, 助教 (30779608)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | VR / キャリア形成 / 精神的健康 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、可視化された未来の自己との対話が、メンタルヘルスを伴うキャリア形成活動に有効かどうかを実証することである。本研究を通して、具体的な将来像とともに前向きな行動を促す、新たな介入技法が開発される。 一年目では「研究1:3Dアバターの有無による違い」の途中まで進んでいたため、二年目ではその研究を最後まで進めた。参加者は82名であり、VR空間上で未来の自分のアバターと対面して会話を行う条件(VR条件)と、空椅子を用いて会話を行う条件(空椅子条件)にランダムに分け、未来の自己連続性やキャリアレディネスへの効果を検討した。結果として、VR条件の方が、実験の直後に未来の鮮明さやポジティブさの上昇度合いが高かった。ただし、その他の変数については、空椅子条件でも同程度の上昇を示し、両条件ともに一週間後のキャリアレディネスが高まっていた。ここから、VRを使うことで未来の鮮明さや明るさが大きく増加するものの、未来の自己との対話自体に、大きな効果がある可能性が示唆された。当初予定していた、否定的な未来と直面する場合や、他者と対話する場合との比較については、研究を行うことができなかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定では、研究3まで進める予定であったが、研究1の参加者集めやVR環境の修正に時間がかかり、研究1までしか進められなかったため。
|
Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、キャリア探索行動や就職活動への介入(研究4,5)に着手する。また、これまでの結果の解釈可能性を広げるために、VRを用いずに未来から現在を振り返ることの効果についても、同時に検討を行う。これまでの研究成果については、学会発表や論文投稿を通して積極的に発信していく。
|
Causes of Carryover |
今年度、実験の数が少なくなり、参加者謝礼の分が余ったため、次年度使用額が生じた。次年度の参加者謝礼に充てることを計画している。
|
Research Products
(8 results)