2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of Self-directed Language Learning Supporting Systems for Learners of Japanese as a Second Language
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21K13646
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
甲斐 晶子 青山学院大学, 情報メディアセンター, 助教 (80646365)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ポートフォリオ / リフレクション / 自己主導型学習 / LMS / 教育工学 / 教育デザイン研究 / 日本語教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度はこれまでの実践で得られた成果について国内外の学会において総括的発表を行なった。また、発展的試みとして「Reflection-Bot」に生成AIを組み入れ、フィードバック機能を強化し、試行実験を行なっている。 前年度の報告書に述べたとおり、当初計画で令和5年度より着手予定であった実証実験については、当初の代表者および研究協力予定者について所属の異動や対面機会の減少等が多くあったことから、計画の変更を余儀なくされた。しかしながら、研究協力者との定期的な勉強会を行い、課題中心型学習の一形態であるPBL(Project-based Learning)および職業統合的学習であるWIL(Work Integrated Learning)分野での水平展開について可能性を検討した。また、専門家や教育実践者から内容領域に関して聞き取り調査を行った。その成果をまとめた抄録は国際学会での口頭発表演題として採択されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度実施状況報告書に掲げた計画の通りに遂行している。
[研究計画1]「Reflection-Bot」の日本語教育現場における有効性の検証について、本年度は得られた成果を発表を行なう計画であった。計画通り総括的評価を実施したところ、本システムが学生の目標を具体化させることが確認され、その成果を教育システム情報学会研究会において「大学初年次日本語科目における自律学習支援のケーススタディー:チャットボット利用による授業外リフレクションと授業内活動の統合」として講演した。さらに、発展的試みとして生成AIによるフィードバック機能を追加した。これらの成果は第48回教育システム情報学会全国大会において「人工知能チャットボットにおけるパラメータ設定機能の開発」、日本教育工学会2024年春季全国大会において「生成AIを用いた日本語会話練習への教員の評価: 少数サンプルによる即時的報告」として口頭発表を行った。 [研究計画2]「Reflection-Bot」の他分野における応用可能性の検証について、本年度は課題中心型学習の一形態であるPBLおよび職業統合的学習であるWIL分野に焦点を当て、国内外の研究者らとReflection-botの応用可能性を検討した。その中でPBL形式での初年次導入科目においては問題解決や学習実践のストラテジーを実践し省察する機会の不足が指摘された。これらの知見は「A DESIGN OF ONLINE LEARNING MATERIALS FOR DEVELOPMENT OF LEARNER AUTONOMY」として国際学会「Education and New Developments 2023」の抄録に収録された。また、広く本チャットボットの概要を紹介し利用を促すためのウェブサイトを作成し、公開した。
以上の理由から、本研究は現時点ではおおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
[研究計画1]「Reflection-Bot」の日本語教育現場における有効性の検証(令和3-5年度): 令和6年度はこれまでの実践で得られた成果について引き続き詳細なデータ分析および総括を行う。
[研究計画2]「Reflection-Bot」の他分野における応用可能性の検証(令和3-6年度): 前年度に引き続き、PBLおよびWILにおけるリフレクション支援の在り方について研究協力者との勉強会を行い、「Reflection-Bot」を核とした支援方策を検討し実証実験を実施する。
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Causes of Carryover |
[研究計画1]に関して本年度使用予定分は概ね計画通り執行している。[研究計画2]に関しては研究開始年度にCovid-19の影響で見合わせた旅費等の経費が繰り越されている状態であり、また実証実験の開始が遅れていることから人件費および謝金の執行に遅れが生じている。これらは次年度使用額として計上した。
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