2023 Fiscal Year Research-status Report
The Use of Virtual Reality Simulations in Rehabilitation Education.
Project/Area Number |
21K13647
|
Research Institution | Hokkaido University of Science |
Principal Investigator |
加藤 士雄 北海道科学大学, 保健医療学部, 准教授 (40760260)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | Virtual Reality / シミュレータ教育 / End-Feel(最終域感) |
Outline of Annual Research Achievements |
医学生教育では,シミュレーション教育は診療参加型実習前の重要なプロセスと位置づけられている.リハビリテーション教育でも導入することが望ましいが,『ヒトの動き』が重要なため,医学生・看護学生教育で用いられている高機能マネキンでは要件を満たさない.そこで,既存しないVirtual Reality(VR)を用いたリハビリテーション教育用シミュレータの開発を目指し,課題の一つとなる『手足を他動的に動かしたときの感覚をVRシミュレータでも再現する手法を見いだす』ことを目的としている. 今年度はヒトの上肢・下肢を他動的に可動範囲限界まで動かした時に感じられる最終域感(End-Feel)を仮想空間内で感じられるよう,フィードバック手法の検討を行った.実用性を考慮し,以下の2条件に合うデバイスを検討した;①安価であるもの,②コントローラーを把持することなく手をフリーにできるもの.今回,『振動』によりEnd-Feelを再現することを目指していたため,これまでにある振動子ではなく,新たに『振動』を再現可能な『音』に着目することとした.複数のデバイスを検証した結果,骨伝導イヤホンを用いることで,外部に音が漏れることなく,かつ音量ボリュームを調整することで振動刺激に強弱が付けられることを確認した. また,HMDを用いたVRシミュレータの開発も実施した.Unityを用いて,仮想空間内でVRモデルを他動的に操作可能なものとなっている.仮想空間内でVRモデルを捜査する際,HMDに付属するコントローラを用いることが一般的であるが,本研究では手指の運動を計測可能な赤外線カメラをHMDに組み込むことで,手指がフリーな状態で仮想空間内での操作を可能とした.これに前述の骨伝導イヤホンを同期させ,End-Feelを模した振動刺激を再現可能なことを確認した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度はVRシミュレータの開発にも着手した.手指の運動を計測可能な赤外線動作計測デバイスを用いることでコントローラを把持することなく,仮想空間内でVRモデルを動かすことが可能となった.しかし,ヒトの関節を全て考慮したVRモデルの作成は物理演算が困難であり,仮想空間内で他動的にVRモデルを動かした時に関節の動きが予期せぬ方向に生じるケースがあった.
|
Strategy for Future Research Activity |
VRシミュレータ内での自由度を低くすることで,現在生じている課題の対応は可能と考えている.具体的には,決められたシナリオに沿って仮想空間内でVRモデルを操作させる.(例:最初に持つ部位を指定する→正しく持てた場合には,正しい方向に動かした時にVRモデルが動く,など)また,360度カメラを用いて,実際にセラピストが可動域を計測しているときの視点を見ることが出来るようにするといった教育コンテンツの可能性についても検証していく.
|
Causes of Carryover |
VRグローブではなく,手指計測が可能な赤外線センサや骨伝導イヤホンを用いたため,機材価格を予定よりも抑えることができたことが主な理由である.繰り越し分については,シミュレータ開発にあてる.
|