2021 Fiscal Year Research-status Report
臨床現場の視点を重視した心理検査教育プログラムの開発
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21K13652
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Research Institution | Tezukayama University |
Principal Investigator |
山口 祐子 帝塚山大学, 心理学部, 准教授 (30753321)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 臨床現場 / 心理検査教育プログラム / ニーズ調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
2015年9月に『公認心理師法』が公布され,公認心理師養成大学・大学院では,現場を意識した教育が求められる。特に心理検査教育では臨床現場の視点を重視した教育が急務である。公認心理師の活躍する主要5分野すべてを対象としたニーズ調査が見当たらない現状を鑑みると主要5分野共通の臨床現場の視点を重視した心理査定教育プログラムが求められる。そこで本研究では主要5分野の臨床現場で活躍する公認心理師からみた心理検査教育プログラムへのニーズを把握し,心理検査教育プログラムに携わる複数の大学教員による「臨床現場の視点を重視した心理検査教育プログラム」の原案作成・開発を行うこととした。 本年度は「臨床現場の視点を重視した心理検査教育プログラム」の開発に向けて,臨床現場が大学に求める主要5分野に共通する心理検査教育内容を把握するために公認心理師養成のため実習先として挙げられた主要5分野の臨床現場で働く臨床経験5年以上の公認心理師12名を対象に臨床現場の公認心理師が実際行っている心理検査内容,大学院教育に期待する教育内容についてインタビュー調査を行った。その結果、①臨床現場では知的・発達・情緒面に課題を抱える対象者に対してカウンセリングや心理検査を実施し、特に心理検査では知能検査・発達検査や人格検査を実施していること、②公認心理師は検査目的の説明、所見の工夫として平易な記述、フィードバックの工夫としてエンパワメントされる視点などに留意して心理検査を実施していること、③大学院生に知ってほしい検査としてWISCなど、大学院教育に期待することとして検査について一連の演習ができることなど大学院における心理検査教育に一定のニーズがあることが明らかとなった。以上の結果から現場のニーズを反映した大学院における心理検査教育プログラムモデルを作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に記載したとおり、当初予定した計画が順調に進み、応用教育心理学会において発表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究実績の概要に記載した通り、当初予定した計画を初年度順調に行うことができ、また、研究計画の変更の必要性も認められないため、計画通り以下の研究を行うこととする。 2年目の研究テーマ:臨床現場の視点を重視した心理検査教育プログラム原案作成と検討 (目的)授業の受講経験のある大学院生を対象に「臨床現場の視点を重視した心理検査教育プログラム」原案を作成・試行し,課題を検証する。(方法)心理検査の教育経験をもつ申請者が心理検査の授業体験のある大学院2年生5名程度を対象に「臨床現場の視点を重視した心理検査教育プログラム原案」を実施する。終了後に心理検査教育プログラムの利点と改善点について問うアンケートを配布し回収する。
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Causes of Carryover |
予定では対面でのインタビュー調査を予定していたが、コロナ禍により遠隔での調査に切り替えざるを得なくなったため。
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Research Products
(1 results)