2021 Fiscal Year Research-status Report
ミャンマー人留学生の円滑な数学学習を目指したオンデマンド型eラーニング教材の開発
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21K13661
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Research Institution | Nippon Institute of Technology |
Principal Investigator |
高岡 邦行 日本工業大学, 共通教育学群, 准教授 (50757333)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 留学生教育 / 留学生に対する数学教育 / ミャンマー人留学生 / 予備教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、日本の大学への進学を希望するミャンマー人留学生が円滑に数学学習を進められるようなオンデマンド型数学eラーニング教材を開発することである。その開発の過程で、ミャンマー人留学生に適した受験指導や教科指導の方法を明らかにする。 本研究の目的を達成するために、2021年度は次の2つの研究を進め、いくつかの知見や成果を得た。 (1) 2016年から2021年に実施された日本留学試験の問題について、数学の出題形式や出題内容、その傾向を調査した。調査の結果、日本留学試験は「数学I」「数学II」 「数学III」を重視した出題であることがわかった。さらに、大問数で見ると全体の半分が「数学II」「数学III」の微分積分からの出題であることが多かった。 一方、ミャンマーの大学入試問題についても、近年の数学の出題形式などを明らかにするため、2019年と2020年の数学の問題を調査した。ミャンマーの場合は、教科書範囲から幅広く出題されていた。日本では出題頻度の高い微分積分であるが、ミャンマーでは積分を学習しないことも影響してか、出題数は全体の2割に満たなかった。そのほか、日本留学試験とミャンマーの入試問題とで、出題形式や選択問題の有無、試験時間の異なりも確認できた。このことから、教科書の学習内容の違いだけでなく、試験の出題形式や出題内容、傾向の違いもミャンマー人留学生にとっては、学習を進める上での負担となっていることが推察された。 (2) 教材開発に向け、教材化すべきテーマや題材の選定に取りかかった。具体的には、(1)を踏まえて、ミャンマー人留学生が日本で順調に数学学習を進めるために優先して学習すべきテーマや題材をいくつか選び出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
日本留学試験やミャンマーの大学入試問題の調査と分析は進展した一方で、新型コロナウィルス感染症の感染拡大のため、ミャンマー人留学生や、ミャンマ人留学生を指導した経験を持つ日本語教育機関の数学教員へのアンケート調査・インタビュー調査を2021年度内に行うことができなかった。そのため、全体として研究計画に遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、2021年度に実施できなかったミャンマー人留学生や日本語教育機関の数学教員へのアンケート調査・インタビュー調査を速やかに実施する。さらに、これまでの研究で得られた知見をもとにして、オンデマンド型数学eラーニング教材の開発に取り組む。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の感染拡大のため、ミャンマー人留学生や、ミャンマ人留学生を指導した経験を持つ日本語教育機関の数学教員へのアンケート調査・インタビュー調査を2021年度に行うことができなかった。そのため、次年度使用額が生じた。これらの調査は改めて2022年度に実施する予定であり、当該助成金はその調査に使用する。
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