2021 Fiscal Year Research-status Report
Unraveling human parental motivation and cognition: Using social psychological and braining imaging methods
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21K13669
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高松 礼奈 京都大学, 教育学研究科, 助教 (90867144)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 養護欲求 / かわいいの知覚 / パーソナリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は、幼児に対する大人の養護欲求を検討するために、刺激選定のための予備調査2回、および、オンライン実験を3回行った。具体的に、子どものパーソナリティが、大人からのかわいい評価、および、養護欲求に与える影響を調べた。予備調査1では、望ましい・望ましくない子どものパーソナリティ記述を抽出した。予備調査2では、実験で使用する視覚刺激(子どもの顔)をPhotoshopを用いて作成し、外見的魅力度(かわいい)の異なる3カテゴリの顔写真を抽出した。実験では、子どものパーソナリティ情報を操作し、かわいい評価や養護欲求への影響を調べた。結果、子どものパーソナリティ情報は、かわいい、温かみ、能力に対する評価に影響した。望ましいパーソナリティ情報は評価を上げた。一方、望ましくない情報は評価を下げた。さらに、1週間後の追跡実験の結果、ベースラインのかわいい評価の低い顔写真と望ましくないパーソナリティ情報条件では、1週間後もプレ評価(実験操作前)と比較し、かわいい・温かみ評価が有意に低かった。既存モデルでは、子どもの幼稚な外見(かわいい)が養護欲求に与える影響のみを想定していた。本研究では、子どもに対するかわいいという感情経験は、外見的特徴だけでなく、内面に関する情報(パーソナリティ)によって影響されることを示した。客観的にその子どもがかわいいと養護欲求を抱くことには必ずしもならず、パーソナリティ情報によって、知覚されるかわいさと養護欲求が影響されることを明らかにした。これらの結果から、子どものパーソナリティや行動意図について間違って解釈や判断することにつながる養育者側の要因(たとえば、抑うつ)についても、子どもに対するかわいい評価や養護欲求に影響する可能性を示唆する。以上の成果は、2022年度Society for Judgment and Decision Making大会にて発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
オンライン実験に切り替えたことで、コロナ感染状況の影響を最小に抑え、円滑に研究を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
子どもに対する養護欲求について、大人側の要因(養育者の心理状態など)に着目する。
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Causes of Carryover |
MRI予備実験を初年度のうちに実施する予定であったが、刺激選定に時間を要したため、次年度に繰越となった。今後、予備実験(謝礼)、および本実験(MRIの施設利用料、謝礼)に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)