2021 Fiscal Year Research-status Report
Extended contact and disability in post-conflict developing nations
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21K13676
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
大貫 真友子 早稲田大学, 国際学術院(アジア太平洋研究センター), 助教 (60771912)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 集団間接触 / 拡張接触 / 紛争 / 障害者差別 / カンボジア / 偏見 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、紛争の影響により世界で有数の地雷と不発弾の被害国となったカンボジアを対象に、障害者に対する偏見と差別について、親の障害者(特に切断者)との接触経験が、世代を超えてどのように子供に伝達されるかに着目し、「拡張接触」(内集団メンバーの知り合いが外集団のメンバーと接触を持つこと(を知ること)によって、間接的に生じる接触)の偏見低減効果を検証することである。 当該年度における主な研究実施内容は、カンボジア統計局が実施する家計調査(socio-economic survey)に関連質問項目を追加した、大規模サーベイ調査やフィールド実験のサンプリングの基となるデータベースの構築である(現在家計調査実査中)。主な追加項目は、exposure to conflict related violence, 切断者との接触度、様々な外集団に対する信頼度、社会的支配志向性、リスク志向など。2019年の家計調査では何らかの障害を持つと報告した人は全体の約5%で、地雷による障害はそのうち約3%である。また、追加項目の入った実査中の中間データによると、切断者が親戚にいる(接触度が高い)割合は親・子合わせて約4%と少ない為、サンプリングする際に配慮して障害者との接触のバリエーションをバランスすることが重要となる。 その他、教育現場における障害者の包摂により生じる障害者と健常者の接触、一般化する差別・偏見の個人要因と障害者への差別・偏見の文脈要因、および差別・偏見の指標や測定法などについ文献検索を進めた。接触の種類や程度に加えて、家計調査で収集されるさまざまな個人属性を説明変数とし、障害者や切断者への差別・偏見、並びにその他さまざまな外集団への態度を従属変数として仮説を構築している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021~2022年度にかけて、拡張接触の大規模サーベイ調査を計画していたが、研究代表者のライフイベントおよびコロナの影響を受けて現地調査が延期されため、サーベイ調査準備が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き大規模サーベイの実施に向けて、文献検索を進め、質問紙の作成、模擬調査、およびIRB申請、および世帯調査における関連項目のデータ解析などを行う。 差別行動のフィールド実験調査に関しても、コロナの影響を受けて現地調査が延期となっているため、実査が延期される見通し。コロナ禍にフィールド実験を行うことによるバイアスへの対策についても引き続き検討を続ける。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、現地調査時に持ち運びを想定して軽量型パソコンおよび統計ソフト等を購入予定であったが、現地調査が延期となりそれらの必要性が生じず、購入を遅らせることとなった為。
当該助成金と翌年度分として請求した助成金の使用計画は、上記の軽量型パソコンおよび統計ソフトの購入と現地調査の出張費。
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Research Products
(1 results)