2022 Fiscal Year Research-status Report
教科の文脈が児童・生徒のデータの読み取りや表現に及ぼす影響の研究
Project/Area Number |
21K13688
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
鈴木 豪 群馬大学, 大学院教育学研究科, 准教授 (40802905)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | データの読み取り / 教科の文脈 / 小・中学生 |
Outline of Annual Research Achievements |
子どもが,データやグラフの読み取りや,読み取った結果をもとに判断を行う際に,どのような教科の知識が活性化されているのか等の参考資料とするため,中学生1~2年の計20名に対して,インタビュー調査を行った。 インタビューにおいては,先行研究(鈴木, 2015)や国際調査(PISA調査)で使用されたグラフを用いた判断課題を見せ,生徒たちがどのような教科を想起して回答したのか,想起した教科によって回答の内容を変えることがあるかを尋ねた。 結果として,調査対象の生徒には,具体的な地域のデータである点から社会科,「理由を説明してください」という文言から国語,グラフであることから数学を想起する生徒も一定数いた。一方で,グラフがあるだけで,計算を求められていないので,数学の問題だとは思わないかったという生徒もおり,問題のどのような点に着目させるかにより,想起される教科や関連して活性化される知識が異なる可能性があることが示唆された。 一方,最初の回答後に「別の教科の問題であったら,回答の内容や方法を変えると思うか」という質問については,「変わらない」という回答が多かった。口頭での受け答えの範囲では,教科の違いによって回答内容を変えるという生徒は少なかった。インタビュー時間が比較的短時間であったことや,回答内容を生徒自身が見返す記述等を依頼しなかったことによることも考えられる。この点については,今後さらに検討する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
年度前半は,引き続き新型コロナウイルス感染症流行が続き,研究協力先と見込んでいた学校で学年閉鎖,学級閉鎖が発生するなどして,予定していた調査の一部を実施することができなかった。ただし,予定していた予備インタビュー調査は,実施時期を送らせて実施することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症の流行が落ち着いてきたため,再度,研究協力先(小学校または中学校)と調整を行い,想起させる教科の文脈によって,生徒のデータやグラフの読み取りや表現がどのように異なるのかについて,質問紙調査を中心に検討を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の流行が年度の途中まで収束せず,予定していた調査に関わる経費,対面での学会参加のための旅費,参加費等を使用することがなかったため。
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