2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of instructional methods to control the spread of misinformation
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21K13691
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
小野田 亮介 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (50780136)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 情報拡散 / 誤情報 / 情報探索 / 情報発信 / 認知バイアス / 中高生 / 情報の帰属 / 情報への責任感 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では,不特定多数に拡がりうる情報の発信を情報拡散と呼び,不正確な情報の拡散を「誤情報拡散」と表現する。中高生を対象として誤情報拡散の予防や収束のための指導方法を提案することが本研究課題の目的となる。 本年度は,(1)誤情報拡散に対する楽観性を評価する指標の作成と,(2)媒体の制約が誤情報拡散に与える影響について探索的に検討するため,成人を対象としたWEB調査を実施した。誤情報拡散に対する楽観性については,誤情報が拡散された場合の拡がり方に対する評価,謝罪や訂正の必要性に対する評価,他者が訂正することへの期待,誤情報の影響に対するリスクの評価,などの観点から測定することを試みた。 また,媒体の制約については文字数に着目した検討を行った。日本においてもユーザー数が多いTwitterでは140字という文字数の制限内で情報を発信する必要がある。このような制約がある条件で情報を発信する場合と,他の媒体のように文字数の制約がない条件では発信する情報の正確さに変化が生じる可能性がある。そこで,約450字で書かれている架空の記事を読み,その内容をSNSで発信することを想定して情報要約を求める課題を実施し,(a)字数の制限なく文章を書ける「制限なし条件」と,(b)140字以内で文章を書ける「字数制限条件」にランダムに参加者を分け,記述された情報の特徴を比較することとした。架空の記事はそれらしい言説を取り上げているものの,その根拠となる情報には様々なバイアスやデータ収集に関する問題が含まれている。これらのバイアスや問題について言及,指摘する程度を条件間で比較することが目的となる。 (1)と(2)のいずれについても現在分析中である。次年度研究では,これらの分析結果をふまえて中高生を対象とした調査を実施するため,項目の表現等については検討を開始している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
誤情報拡散に対する楽観性を評価する指標,ならびに媒体の制約が誤情報拡散に与える影響について検討するための課題を作成し,WEB調査の実施まで進めることができた。詳細な分析結果を待つ必要はあるものの,これらの指標や課題は本研究課題を遂行する上で軸となるものであり,本年度内にその大枠が完成したことは順調な進展だと評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
収集したデータの解析を進め,成果を論文としてまとめる。また,成人を対象として得られた結果を踏まえて中高生向けの調査案を作成し,調査を実行する。
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