2021 Fiscal Year Research-status Report
被影響性に着目した児童期・青年期のパーソナリティ変化の規定因:家族調査による検討
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21K13697
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Research Institution | Kokushikan University |
Principal Investigator |
川本 哲也 国士舘大学, 文学部, 講師 (40794897)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | パーソナリティ特性 / 発達 / 縦断調査 / 青年期 / 家族 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は家族単位でのパーソナリティ特性の変化を検討するための縦断調査の1時点目を実施した。縦断調査に関しては,コロナの感染拡大状況を考慮し,郵送による調査は断念し,オンラインによる調査方法をとるようにした。合計で約400家庭からの調査回答を得ることができ,次年度以降につなげていくこととなった。当初の実施計画では1年に1回,計4回の調査を計画していたが,配分された予算額に鑑み,2年に1回,計3回の調査を行うことに変更した。 研究結果のアウトプットに関しては,本年度実施した調査データについては分析を開始したばかりであり,まだアウトプットできていない。しかし,研究内容に関わる論文等をアウトプットすることができた。具体的には,一般パーソナリティ因子と認知能力との関連性に関する論文や,青年期の自己発達に関する論文等をパブリッシュしている。前者は,パーソナリティ特性から導かれるジェネラルな因子が,認知能力の中でも特に実行機能と関わるとされるワーキングメモリーと弱い正の相関を見せており,その背後に遺伝と環境の双方が関わっていることを,双生児データから明らかにしたものである。後者は,青年の自己発達における自己呈示の役割に関し,青年のパーソナリティのプロフィールに着目して検討したものである。これらの知見は,青年のパーソナリティ発達を考える上で,重要な意義を持つものといえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた家族調査は,予算内で予定通り実施できた。コロナの感染拡大により郵送調査の方法をとれなかったことが計画通りに行かなかった点であるが,それ以外についてはすべて計画通りであった。また,論文等の刊行についても,研究課題に関わるものを複数パブリッシュできたため,順調な進展であると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
縦断調査の調査間隔を2年間にしたため,次年度は調査を行う予定はない。今年度に収集したベースラインのデータを分析し,横断的な観点から分かることを結果としてまとめるほか,研究課題に関わる論文等も積極的に執筆していく予定である。
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Causes of Carryover |
今年度はほぼ予算額と同じ使用額となり,予算のうち1,000円分が次年度使用となった。少額のため,今年度中に使い切るよりも次年度予算と合算して利用することにより,有効な活用ができると考えられたため,繰り越すこととした。具体的には書籍等の購入に充てる予定である。
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