2022 Fiscal Year Research-status Report
性暴力被害者の早期介入としての支援版プログラムの構築と検証
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21K13713
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Research Institution | Musashino University |
Principal Investigator |
今野 理恵子 武蔵野大学, 人間科学部, 講師 (90884586)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 臨床心理学 / 性暴力被害者 / PTSD / Webプログラム / ワンストップ支援センター |
Outline of Annual Research Achievements |
医療機関でその診療を継続するために使用していたWebプログラム(医療機関版SARA)の安全性、実行可能性は認められたが、ワンストップ支援センターを訪れる性暴力被害者に対して、医療機関以外においての実行可能性、安全性を検証する。ワンストップ支援センターを訪れる性暴力被害者の中には、医療機関で専門的な治療が必要な人もおり、そのような被害者を医療機関に繋げ、診療の継続をサポートすることを目的に、医療機関版SARAを改訂し支援版SARAを開発した。支援版SARAの開発のために、昨年度に引き続き、医療機関版SARAを実際に使用し、PTSD症状が寛解した性暴力被害者6名にインタビューをZoom上で行った。 インタビューに際しては、研究担当者が本研究に関する説明を口頭ならびに「説明文書」を用いて十分に行い、対象者から「同意文書」にて、同意を取得した。 また、対象者が研究不参加および研究参加をやめる際に不利益を被ることがないことを保証した。対象者の情報は、ID番号によって匿名化し、パスワードで管理したハードディスクに保存した。また、インタビューの逐語記録についてもID番号よって匿名化し、パスワードで管理したハードディスクに保存した。6名のインタビューイーは同意を撤回することはなかった。 6名のインタビュー内容から、医療機関版SARAからの改善点を洗い出し、支援版SARAを開発した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度、新型コロナウィルス感染拡大により、インタビュイーに対する研究説明の面談が遅れたため、インタビューの日程が予定通りに調整できなかったため、今年度にもその影響が出た。
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Strategy for Future Research Activity |
支援版SARAをワンストップ支援センターに来所した性暴力被害者に使用してもらい、その実行可能性と安全性を検討する。 具体的には、ワンストップ支援センター数か所に依頼し、支援版SARAを性暴力被害者に紹介してもらい、研究担当者がZoomなどにて本研究に関する説明を口頭ならびに「説明文書」を用いて十分に行い、対象者から「同意文書」にて、同意を取得する。 また、対象者が研究不参加および研究参加をやめる際に不利益を被ることがないことを保証する。対象者の情報は、ID番号によって匿名化し、パスワードで管理したハードディスクに保存する。同意が得られたら、支援版SARAを2か月間使用してもらう。実施前後の症状評価と実施後のアンケートから、研究者が遠方の場合でも実行可能性、安全性が得られるか検証する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染の収束に至らず、海外・国内の学会参加を回避しため、学会に係る旅費の執行ができなかった。また、昨年度の遅れが影響し、Webプログラムの研究実施まで至らなかったため、研究協力者への謝礼が発生しなかった。 今年度は、日本各地のワンストップ支援センターにWebプログラムの実施の協力を得るため、説明を現地で行う予定であり、旅費交通費を執行する予定である。さらに、研究協力者への謝礼を執行する予定である。 また、海外・国内の学会の参加のための旅費交通費の執行を行う予定である。
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