2021 Fiscal Year Research-status Report
目標設定を用いた反応抑制促進法の開発:ADHDとの関連から
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21K13715
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Research Institution | Nagoya Sangyo University |
Principal Investigator |
宮坂 まみ 名古屋産業大学, 現代ビジネス学部, 講師 (20823652)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ADHD / 反応抑制 / 目標設定 |
Outline of Annual Research Achievements |
注意欠如・多動症(ADHD)は多動性,衝動性,不注意の1つまたは複数を呈する発達障害であり,症状の基盤には実行機能の特異さとしての反応抑制不全,および報酬の知覚から行動表出に至る過程に作用する報酬系機能が関与していることが示されてきた。報酬や損失の呈示は反応抑制促進に効果が期待される一方で,児童へのネガティブな効果が懸念されるなど,実際の運用には困難がある。本研究の目的は,即座の報酬や損失という方法以外で児童のモチベーションを向上させ,反応抑制を促進させるというものである。 2021年度(令和3年度)は,目標設定による抑制課題成績の変化が課題目標保持の促進によるか否かを検証するため,プログラマーと打ち合わせのもと,web上で実施可能なプログラムを作成した。その後,調査会社との打ち合わせを経て,web上でのアンケート回答後に実験へ誘導するシステムを作成した。プログラムとアンケートを作成した後,参加者を募集した。参加者は保護者と児童であった。保護者が児童の様子に関する質問紙にインターネット上で回答した後,児童は自宅でインターネットを介して実験課題に取り組んだ。現在,アンケートの回答と実験への参加を完了したペアを抽出し,データを整理する段階にある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定されていた実験を完了し,必要な人数分のデータを収集した。プログラムの構成上,参加者別にデータを整理する手続きが複雑なものとらざるを得なかった。そのため,データの整理が終了しておらず,分析途上にある。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度(令和4年度)は,2021年度に収集したデータの整理と分析を完了させ,研究計画2「目標設定による課題目標保持および情動的な安定についての検討」に移行する。研究計画2で使用する実験課題は2021年度に作成したプログラムを改変して実施する。研究計画2の実験は対面で実施する必要があるため,新型コロナウイルス感染拡大状況をみて慎重に実施していく必要がある。また,新型コロナウイルス感染拡大状況によっては,予定している国際大会への参加を見送る可能性が高い。
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Causes of Carryover |
現在データの分析途上であり,考察等にあたって計上していた書籍・論文抜刷りにかかる費用の支出が少なくなった。2022年度に分析を完了し学会発表を行うにあたっての書籍・論文抜刷購入費に充てる。
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