2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K13716
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Research Institution | University of Human Environments |
Principal Investigator |
田村 紋女 人間環境大学, 心理学部, 講師 (30826863)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | サイコパシー / Dark Triad / 尺度開発 / 対人関係 |
Outline of Annual Research Achievements |
Dark Triadと攻撃性の関連を検討するために,Dark Triadをより正確に測定することができる指標は非常に重要である。なかでも,サイコパシーは複数の次元から構成されるパーソナリティであるため,従来使用していた尺度より包括的にサイコパシーを測定することができる尺度を開発できれば,今後のDark Triadの研究にとって非常に有用であると考えられる。研究計画段階では,攻撃性を多面的に測定する尺度を開発することを検討していたが,攻撃性は実験課題や現実場面に即した反社会的行動で測定することとしたため,攻撃性の尺度に代わって,サイコパシーを測定する尺度の翻訳を実施した。現在,翻訳はおおむね完了し,信頼性と妥当性を検討している段階である。この結果は,2023年度に学会発表を行っており,追加の分析をした結果についても,2024年度に学会発表を予定している。 また,Dark Triadが高い人の攻撃性のメカニズムを探るために,予備調査として,Dark Triadが高い人の現実場面での反社会的行動との関連を検討した。反社会的行動の指標としては,嘘をつく傾向やSNSでの荒らし行動との関連を検討した。そして,そのような行動が,Dark Triadが高い人の対人関係にも困難を及ぼしているのか検証した。これらの結果は,現在,分析中である。また,Dark Triadが高い人は実際に交友関係が希薄で,その結果,自身の適応も損ねることにつながっているのか検証した。この研究結果も,現在,分析段階にあり,概ね分析は完了している。この結果は,2024年度に学会発表を予定しており,論文化を目指して原稿を執筆中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍が十分に収束したといえない状況が続き,対面での実験や調査が難しかったこと,研究者の所属が変更となり所属機関での研究に限界があったことが重なり,複数の研究を予定通り進行することができなかった。 しかし,開発する尺度の内容に変更を行ったが,Web調査を実施するなどして研究1に該当する調査をおおむね完了している。また,研究2~研究4につながる予備調査も実施し,本調査の準備も進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究1については,開発する尺度の内容に変更を行ったが,Web調査を実施するなどしておおむね分析を完了している。引き続き論文化を目指して分析と執筆の準備を行う。 また,研究2~研究4につながる予備調査も実施し,本調査の準備も進めている。予備調査の結果も,論文化を目指して,分析と執筆の準備を進めている。 所属先はまた変更となったが,調査や対面での実験を行う環境は整っている。やや遅れはあり,研究計画の変更も余儀なくなった部分はあるものの,これ以降の研究の準備は問題なく進めることが可能である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍が収束しきっていない状況,および所属先の設備環境によって,対面での実験や大学生を対象とした調査など,予定していた研究の実行,および学会での公表が困難な状況であった。そこで,代替案として,Webでの調査メインで研究を行った。 新しい所属先では,当初予定していた研究の遂行を行うことが可能な環境が整っている。そのため,実験用の刺激やプログラム作成を行うための設備をさらに整えることに使用する。加えて,調査や実験への協力の謝金として使用する予定である。さらに,引き続き,Web調査での研究も実施する。学会発表やその旅費,論文執筆のための英文校正費,出版費等にも使用予定である。
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