2021 Fiscal Year Research-status Report
エクスポージャーにおける介入効果の般化促進プログラムの開発:基礎研究の知見の応用
Project/Area Number |
21K13724
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
佐藤 友哉 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (70721900)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 認知行動療法 / エクスポージャー / 消去 / 般化 |
Outline of Annual Research Achievements |
不安症に対する認知行動療法において中核的な介入技法であるエクスポージャーの課題として,介入効果の般化の難しさが挙げられる。そのため,エクスポージャーにおける「介入効果の般化を促進する方略」が必要であるが,その大半が専門家の経験に委ねられており,エビデンスに基づいた介入プログラムはほとんどない。近年では,エクスポージャーの治療機序とされる「消去」に関する基礎研究において,消去の般化を促進する方略に関するエビデンスが蓄積されつつある。そこで,本研究課題は,基礎研究の知見を包括的に整理し,エクスポージャーにおける「介入効果の般化を促進する方略」を明らかにし,その介入プログラムを開発することを目的とする。 2021年度は,研究(1)消去の般化に関する基礎研究のシステマティックレビューおよびメタ分析,研究(2)基礎研究の知見を応用した「介入効果の般化を促進する方略」の有効性の検討,を計画していた。 研究(1)については,消去の般化に関する基礎研究についての文献収集を行い,対象とされた文献に対して,適格性の評価を行った。現在は,適格と判断された文献に対して,システマティックレビューおよびメタアナリシスを実施するための準備(効果量算出に必要なデータ収集等)を進めている。 研究(2)については,現在,研究(1)のシステマティックレビューおよびメタ分析を進めている段階であるため,具体的な「介入効果の般化を促進する方略」を立案することはできなかったが,研究実施に必要な機材(生理指標測定装置等)の準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定では,研究(1)のシステマティックレビューおよびメタ分析の結果に基づき,研究(2)の「介入効果の般化を促進する方略」を立案する予定であったが,システマティックレビューおよびメタアナリシスに想定以上の時間を要し,「介入効果の般化を促進する方略」の立案までは至らなかった。一方で,研究(1)については,システマティックレビューの適格基準を満たす論文の選定は完了したこと,また,研究(2)については,研究で必要となる機材は確保できたことなどを踏まえ,現在までの進捗を,やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は,研究(1)のシステマティックレビューおよびメタ分析の結果をまとめるとともに,研究(2)の「介入効果の般化を促進する方略」の立案およびデータ収集を試みる。また,研究(2)の結果を踏まえ,研究(3)として,エクスポージャーにおける介入効果の般化促進プログラムの開発と有効性の検討を行う。
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Causes of Carryover |
当初予定していた研究(2)の基礎研究の知見を応用した「介入効果の般化を促進する方略」の有効性の検討の実施ができず実験参加謝金等の人件費・謝金が使用されなかったことや,新型コロナウイルス感染症の流行によって学会がオンライン開催に変更となり,出張のための旅費が必要なくなったこと等が挙げられる。次年度は,今年度実施できなかった研究(2)のデータ収集を行い,当初の予定通り,人件費・謝金を使用する予定である。また,旅費については,新型コロナウイルス感染症の流行状況を踏まえながら,研究計画に即した用途で使用する。
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