2021 Fiscal Year Research-status Report
統合失調症患者のメタ認知と認知バイアスが社会機能に及ぼす影響についての縦断的検討
Project/Area Number |
21K13729
|
Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
森元 隆文 札幌医科大学, 保健医療学部, 講師 (60516730)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 統合失調症 / メタ認知 / 認知バイアス / 社会機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,正解確信度の評定を含む表情認知課題を用いて評価するメタ認知や同課題中の視線解析により評価する“過小な情報収集”という認知バイアスと陽性症状,さらには心理社会的介入の主要な治療標的である社会機能との因果関係を縦断的に検討することを目指している. 対象は,札幌市内の精神科病院,あるいは総合病院精神科に通院・あるいは入院しており,統合失調症と診断されている者42名を想定している.表情認知課題を施行し,メタ認知の指標として表情認知課題中の「"正解"or"不正解"と"正解だと思う確信度"との順位相関」であるGamma相関を算出し,“過小な情報収集”を評価するために非接触型のアイトラッカーにより顔写真を見ている時の注視点を計測する.同時に,陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)の陽性尺度による陽性症状の評価と,精神障害者社会生活評価尺度(LASMI)の“日常生活技能”と“対人関係”得点の算出により社会機能を評価する.上記についての初回調査とその1か月後に調査協力を依頼し,2時点の目的変数と説明変数それぞれを設定した交差遅延効果モデルにて因果関係を検証する. 今年度は,機器の整備と表情認知課題の設定まで進めている.当初は,研究協力施設への説明と研究協力の依頼を完了し,データ収集を開始する予定であったが,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大により協力施設でのデータ収集を開始する目処が立っていない状況である.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2021年度中にデータ収集を開始する予定であったが,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に伴う諸業務への対応が増加していること,協力施設,および協力予定施設での感染拡大への対応によりデータ収集を開始する目処が立っていない状況である。 以上から、「遅れている」と判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
感染対策をしながらデータ収集を実施できる体制や環境について,協力施設,および協力予定施設との協議を継続する.
|
Causes of Carryover |
今年度は、学会参加はweb学会のみであったこと、およびデータ収集を進めることができなかったことから、次年度は学会参加とデータ収集を進めるために旅費、人件費と謝金を使用する。
|