2023 Fiscal Year Research-status Report
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21K13769
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
谷田川 友里 東京工業大学, 理学院, 准教授 (90819343)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 分岐 / 特性サイクル / オイラー数 / 導手 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、昨年度までに構成した階数1の層に対する部分的に対数的な特性サイクルについて昨年度やり残していた問題である、部分的に対数的な特性サイクルと層のオイラー数との関係を明らかにすることに取り組んだ。それにより、階数1の層に対する部分的に対数的な特性サイクルが零切断との交点数としてオイラー数を計算するという指数公式を示すことができた。階数1の層の部分的に対数的な特性サイクルは、加藤氏により階数1の層が境界に沿って対数的に良い分岐を持つ場合に構成された対数的な特性サイクル、および斎藤氏により層の境界に沿った分岐が非対数的によい場合に与えられた特性サイクルの層の分岐の不変量による計算の類似として定義される。今回与えた階数1の層の部分的に対数的な特性サイクルの指数公式は、対数的な極を適切に選ぶことで加藤氏による対数的な特性サイクル、および斎藤氏による特性サイクルの計算のそれぞれが指数公式を通して与えるオイラー数の層の分岐の不変量による計算の仮定を層の階数が1の場合に少し弱めた状況でオイラー数の計算を与える。さらに、この部分的に対数的な特性サイクルの指数公式と合わせて、対数的な極の選び方を変えた場合にそれぞれの場合の部分的に対数的な特性サイクルが互いにどのような関係にあるかを、それぞれのサイクルが定めるサイクル類の間の関係式として得ることができた。これらの成果については、国内外のいくつかのセミナーや研究集会で発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度やり残していた部分的に対数的な特性サイクルとオイラー数との関係について確かめることができたため。また、次の課題である部分的に対数的な特性サイクルの対数幾何を用いた幾何的構成について、その最初のステップである、階数が一般の層に対する部分的に対数的な特性サイクルの構成について考え始めることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
部分的に対数的な特性サイクルの対数幾何を用いた幾何的構成について考える。その最初のステップとして、今年度示した階数1の層の部分的に対数的な特性サイクルとオイラー数の関係について、階数が一般の場合にも部分的に対数的な特性サイクルを構成し同様の関係が成り立つことを示す。これがうまくいけば、この結果も参考にしながら部分的に対数的な特性サイクルの対数幾何を用いた幾何的構成について研究を進める。
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Causes of Carryover |
今年度は予定していた研究集会参加および研究打ち合わせのための海外渡航のうち、一つがビザのトラブルで中止になり、もう一つがスケジュールの都合でオンラインでの参加になったため、次年度使用額が生じた。今年度生じた次年度使用額については、翌年度予定している分と合わせて昨年度滞在する予定であった国からの研究者を招聘するために使用する予定である。
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