2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K13776
|
Research Institution | Takasaki City University of Economics |
Principal Investigator |
板垣 智洋 高崎経済大学, 経済学部, 准教授 (80756487)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | ホッホシルトホモロジー / ホッホシルトホモロジー次元 / ホッホシルト拡大環 |
Outline of Annual Research Achievements |
多元環のホッホシルト(コ)ホモロジーは導来同値の不変量であり、豊富な代数的構造をもつ。有限次元多元環について、大域次元が無限大であっても高次のホッホシルトコホモロジーが消滅するような例が確認されている。しかしながら、ホッホシルトホモロジーに関しては、同様な例は確認されていない。いくつかの多元環のクラスに対しては大域次元とホッホシルトホモロジー次元の有限性が一致することが確認されている。 本研究では、多元環のホッホシルトホモロジー次元の有限性と多元環の箙の構造と関係性を明らかにすることを目的としており、特に、自己入射的多元環のホッホシルトホモロジー次元の有限性やquiverの特徴との関係性を明らかにすることを目標としている。自己入射的多元環のクラスの一例として、ホッホシルト拡大環があり、重要な対象の1つである自明拡大環を含んでいる。一般に、ホッホシルト拡大の同値類全体と2次のコホモロジーの間に一対一対応があることがしられており、2-cocycleによってホッホシルト拡大環が定まる。今年度は昨年度の報告内容の続きとして以下を行った。 (1) 2022年度に、切断的箙多元環のある2-cocycleたちに対するホッホシルト拡大環のホッホシルトホモロジー次元が無限大であることを確認した。2023年度は、この内容に関して、国際研究集会The Ninth China-Japan-Korea International Conference on Ring and Module Theoryにて、Hochschild homology dimension and a class of Hochschild extension algebras of truncated quiver algebrasの題目で講演した。また同内容をまとめた論文を学術雑誌に投稿し受理された。 (2) 鯉江秀行氏(神戸市立工業専門学校)との共同研究でquadratic monomial algebraのホッホシルト拡大環のquiverについて調査した内容を投稿論文としてまとめた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ホッホシルトホモロジー次元が無限大であるような環の具体例を増やすことができた。しかし、箙に関する特徴とホッホシルトホモロジー群を関連させるところまで研究が進められていない。また、切断的箙多元環のホッホシルト拡大環の一部に関して、ホッホシルトホモロジー次元が無限大となることが確認できていない。以上の理由で進捗状況としてはやや遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
ホッホシルトホモロジー次元が無限大になる多元環の箙の特徴を探す手がかりのため、引き続き具体例を増やしていきたい。特に、切断的箙多元環のホッホシルト拡大環のホッホシルトホモロジー次元について、まだ確認できていないクラスに対して2-cocycleを考慮しながら調査していきたい。
|
Causes of Carryover |
前年度繰り越し分で使用する予定であった研究集会への参加を見送ったため。次年度の物品および国際研究集会の参加のための出張旅費として使用する予定である。
|