2021 Fiscal Year Research-status Report
Sym型Darboux変換による曲面の変換理論とその離散化
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21K13799
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Research Institution | Okinawa National College of Technology |
Principal Investigator |
緒方 勇太 沖縄工業高等専門学校, 総合科学科, 講師 (50800801)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | Darboux変換 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,曲面論および可積分系理論において有名なDarboux変換に関する研究である.先行研究で申請者は,リーマン空間形内の双等温曲面に対し,「Sym型Darboux変換」という新たなDarboux変換を定義した.本研究では,Sym型Darboux変換をより深く解析することを目標にする.また,工学的な応用の面から,「離散曲線や離散曲面に対するDarboux変換」の研究も行う. 古来よりDarbouxやBianchiといった著名な数学者によって,既知の曲面から新しい曲面を生み出す構成法の研究が行われていた.近年では,彼らの研究成果が「可積分方程式の解の変換理論」と強く結びついていることが指摘され,「Darboux変換」と呼ばれている. Darboux変換は既知の曲面に対し,繰り返し適用することで次々に新しい曲面を生成できるが,「Bianchiの可換律」というスペクトルパラメータに関する制約条件が存在した.申請者の先行研究において,このBianchiの可換律を一般化する形で定義し,従来のDarboux変換では同一のスペクトルパラメータを使用できないが,その点を改良し定式化したのが「Sym型Darboux変換」という新たなDarboux変換であり,古典的なDarboux変換では得られない新たな曲面の創出が可能となっている. 特に本年度は「曲線の周期的離散Darboux変換の構成」や,より複雑なDarboux変換として「元の曲面の多重被覆に対するDarboux変換」を研究した.曲線の周期的離散Daboux変換については既に論文を投稿した.また,Delaunay曲面の多重被覆を考えたときに,Darboux変換後の曲面が周期的になる条件を特定し,プレプリントを執筆した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナウイルス蔓延のため,全ての研究活動はオンラインで行われたので少し苦労した点もあったが,本年度中に論文の執筆,投稿を行うことができた.
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度はコロナウイルス蔓延のため,全ての研究活動はオンラインでのみ行われた.特に,共著論文執筆に際しては,時差等の事情により,海外の研究者との研究打ち合わせの時間に限りがあった.今年度は可能であれば,より多くの論文執筆に向けて,海外渡航による共同研究の活動にも力を入れていきたい.
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Causes of Carryover |
当該年度は沖縄でのコロナウイルス蔓延のため,予定していた出張がキャンセルとなり,翌年度への繰越金が生じた.翌年度分の国際共同研究などの出張旅費として使用予定である.
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Research Products
(4 results)