2022 Fiscal Year Research-status Report
Sym型Darboux変換による曲面の変換理論とその離散化
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21K13799
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
緒方 勇太 京都産業大学, 理学部, 准教授 (50800801)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | Darboux 変換 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,曲面論および可積分系理論において有名なDarboux変換に関する研究である.先行研究で申請者は,リーマン空間形内の双等温曲面に対し,「Sym型Darboux変換」という新たなDarboux変換を定義した.本研究では,Sym型Darboux変換をより深く解析することを目標にする.また,工学的な応用の面から,「離散曲線や離散曲面に対するDarboux変換」の研究も行う. 当該年度は,曲面のDarboux変換の研究として,3次元ユークリッド空間内のDelaunay曲面のSym型Darboux変換を考え,その曲面の構成を行った.また, これらのDarboux変換の構成の際には,平坦接続の平行ベクトル場を具体的に構成し,ヤコビの楕円関数や第3種楕円積分を用いた明示公式も導出した.この研究成果については,現在論文を執筆し,投稿中である. 一方,今年度は曲面のDarboux変換だけでなく,曲線のDarboux変換の研究も行った.先行研究[F. E. Burstall, U. Hertrich-Jeromin, C. Muller, and W. Rossman, (Geom. Dedicata, 2016)]で述べられているように,曲線のDarboux変換は曲面のDarboux変換と違い,ポラライゼーションと呼ばれる実関数の自由度が存在する.曲線のDarboux変換の研究は,曲面の曲率線の変換を研究することにも繋がり,非常に重要である.本研究では,弧長パラメータを与えるポラライゼーションに対し,曲線のDarboux変換を研究した.また,本研究では離散曲線のDarboux変換についても研究し,円のDarboux変換で閉じる曲線の研究を行った.この研究は,先行研究[M. Kilian, (arXiv ,2015)]の離散化の結果を含み,さらに平面曲線ではない離散空間曲線へと結果を拡張した.これらの研究成果については,現在論文を執筆し,投稿中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,滑らかな曲線のDarboux変換や離散曲線のDarboux変換の研究について十分な進展があり,論文の投稿なども行っている.また,離散曲面の材料科学への応用といった隣接分野への応用研究も行い,おおむね順調に研究は進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度より,研究打ち合わせ等の研究活動も対面で行われることが多く,海外の研究協力者が来日することで国際共同研究も対面で行うことができた.次年度はより一層,多くの論文執筆に向けて,海外渡航による共同研究の活動にも力を入れていきたい.
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Causes of Carryover |
昨年度から続くコロナウイルス蔓延による研究活動の制限のため,繰越金が生じていたため,本年度も少額ではあるが,翌年度への繰越金が生じた.翌年度分の国際共同研究などの出張旅費として使用予定である.
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Research Products
(3 results)