2021 Fiscal Year Research-status Report
チェックドルボーコホモロジーの多重超局所解析への応用
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21K13802
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小森 大地 北海道大学, 数理・データサイエンス教育研究センター, 特任助教 (60880119)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 超局所解析 / 無限階擬微分作用素 / チェックドルボーコホモロジー |
Outline of Annual Research Achievements |
無限階擬微分作用素の表象理論を用いた研究は青木や片岡を中心に行われてきた。彼らの基礎理論における無限階擬微分作用素の合成や、作用素から表象への写像の構成には、核関数の積分を用いて定義される。しかし、元来の手法ではそれらの積分路を解析的な意味では構成できない場合が存在し、基礎理論における不完全さが残る状況であった。 これに対して、青木、本多、山崎によって一つの解決が行われた。彼らはパラメータとして1次元付与した新たな空間で理論を構成することでこれらの問題を解決した。しかし、彼らの理論は基礎理論としては難しく、より基本的な方法による解決が望まれていた。 本研究では、無限階擬微分作用素の合成をチェックドルボーコホモロジーの表示を用いることで、簡潔な方法で解析的に明示することに成功した。また、研究代表者の先の研究結果では、チェックドルボーコホモロジーの理論を応用することで、無限階擬微分作用素からその表象への写像を解析的に明示することに成功した。これらの結果を合わせて、青木によって構築された無限階擬微分作用素の表象理論における基礎理論の部分をチェックドルボーコホモロジーの理論で書き直すことに成功した。特に、本研究結果は、手法が簡潔なだけでなく、先行研究では困難であった、大域的な場合の写像の解析的な表示に成功している。 また、上記と同様の手法を用いることにより、超局所作用素のmicrofuctionsへの作用を明らかにすることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
無限階擬微分作用の合成をチェックドルボーコホモロジーを用いて表現することに成功したが、無限階擬微分作用素の表象の積と両立するかについては、めぼしい進展を得られていない。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究を進めるとともに、多重超局所解析へのチェックドルボーコホモロジーの応用の研究の準備を進める。具体的には次のことに取り組む。 1.無限階擬微分作用素の合成と、その表象の積の両立性を明らかにする。 2.多重超局所解析への応用として、subanalytic site上の層の理論やInd sheavesの理論に関する知識を深める。 3.subanalytic site上の層の理論を基礎としたチェックドルボーコホモロジーの理論を模索する。
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Causes of Carryover |
コロナウィルスの影響で、予定していた研究集会や研究打ち合わせの実施が見送られたために、次年度使用額が生じた。 次年度も同様の理由により、現状で使用計画を明確に立てることは困難である。
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Research Products
(1 results)