2023 Fiscal Year Research-status Report
Mathematical analysis of nematic liquid crystal flows
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21K13819
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
村田 美帆 静岡大学, 工学部, 准教授 (90754888)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ネマティック液晶 / Navier-Stokes方程式 / 時間局所解 / 時間大域解 |
Outline of Annual Research Achievements |
ネマティック液晶の分子の運動を表す数学モデルとして Beris-Edward model (Q-tensor model) がある.このモデルは分子の配向方向と配向秩序を表すテンソルに対する発展方程式とNavier-Stokes方程式の連立方程式として記述される.このモデルに対し,以下の研究を行った. 1. 非圧縮性 Beris-Edward model の半空間における考察 レゾルベント問題の解作用素に対するR-有界性からしたがう,時間についてLp, 空間についてLq枠における最大正則性と,最大正則性のクラスで十分小さな初期値に対する時間局所解の一意存在性について論文にまとめ投稿した.次に任意の大きさをもつ初期値に対する時間局所解の存在について考察を行ったが,準線形方程式であることから非線形項の評価に困難が生じたため,現在L2エネルギー法を用いて考察を行っている. 2. 圧縮性 Beris-Edward model の全空間における考察 未知関数である分子の配向状態を表すテンソルがトレースレスであることから,非圧縮性条件が成り立つので,自明解のまわりで線形化を行うと分子の配向状態と流速,圧力を未知関数とした方程式が得られる.まず温度に依存するパラメータの符号について場合分けをし,線形化方程式に対するエネルギー不等式を導出した.この不等式とモデリングの観点からパラメータが正の場合に時間大域解の存在と安定性を得られると予測し,考察中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Beris-Edward model の線形理論および十分小さな初期値に対する時間局所解の一意存在性について論文を投稿することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
非圧縮性Beris-Edward modelについては,引き続き半空間において任意の大きさをもつ初期値に対する時間局所解の存在について考察を行う.圧縮性Beris-Edward modelについては,温度に依存するパラメータが正の場合に時間大域解の存在と安定性について考察を行う.
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Causes of Carryover |
年度末の海外出張に変更があったため次年度使用額が生じた.差額は書籍購入や旅費に充てる予定である.
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