2021 Fiscal Year Research-status Report
Study on the nonlinear geometric heat flow via a geometric analysis approach
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21K13824
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
中村 謙太 熊本大学, 大学教育統括管理運営機構, 特任助教 (40886660)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 二重非線形 / 正則性 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度は,4本の論文投稿を行った.まず,山辺流などに代表される速い拡散型二重非線形放物型方程式の非負値解に対する消滅時間における最良減衰評価,および [Misawa-Nakamura, Adv. Cacl. Var. (2021)]で確立した非線形Intrinsic Scaling の方法により,非負弱解の消滅時間手前までの正値性の伝播を証明した.また時間伸長変換で代表的なGiga-Korn変換によって変換された解に対する時間無限大での定常解への(弱)収束を示した.つぎに,分数階p-Laplacianを主要部に含む速い拡散・遅い拡散すべてを含む分数階二重非線形放物型方程式に対する,あるエネルギークラスに属する弱解の存在を[Nakamura-Misawa, Nonlinear Anal. (2018)]で獲得した後退差分の方法と,弱収束・Vitali 収束定理により証明した,分数階の二重非線形方程式の解の存在性を扱ったのはこの論文が最初である.また,局所・非局所Trudinger型二重非線形放物型方程式に対する符号変化する弱(優)解の局所有界性と,L^p-ノルムに関する時間連続性について証明した.この論文ではKinnunen-Lidqvist (Adv. Calc. Var. (2006)) による指数型mollifierを用いることにより,さまざまなエネルギー評価が数学的に正当化されることを証明している.さsらに,この局所・非局所Trudinger型二重非線形放物型方程式の正値解に対するlog型Caccioppoli, Bombieri-Giusti型評価 (Invent., Math. (1972)) を駆使して,弱Harnack評価を導出した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ここで扱った山辺流,p-Sobolev流などの二重非線形放物型方程式は,正規形の非線形Porous medium方程式とは解の属する関数クラスが異なるため,特にべき指数をもつ時間微分項をどう使うかが鍵となる.今年度の最初の目標としていた時間微分非線形性の扱いに対する理解が身についたため,扱う方程式の対象を広げることが可能になり,その結果,研究をおおむね順調に遂行することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き,二重非線形放物型方程式・幾何学的非線形熱流に対する正則性理論の研究を推し進める予定である.特に,局所・非局所混合型作用素に対する正則性理論の研究は,最新の研究動向を見ても非常に新しい分野であるので,この流れに乗って局所・非局所二重非線形放物型方程式の(符号変化を許す)弱解に対するヘルダー正則性,lower semi continuity などの正則性評価も探求していきたい.
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Causes of Carryover |
R3年度は新型コロナウイルス感染症の影響で国内出張ができなかったため,旅費代を使用することができなかった.また,更なる研究環境整備のため,次年度使用額を含めてR4年度に必要物品を購入する予定である.
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Research Products
(1 results)