2021 Fiscal Year Research-status Report
| Project/Area Number |
21K13836
|
|---|
| Research Institution | Kyushu University |
|---|
Principal Investigator |
佃 康司 九州大学, 数理学研究院, 准教授 (30764972)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
| Keywords | 統計モデル / 確率分割 / 高次元統計解析 / 統計的漸近理論 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究では，確率モデルにおいて統計的多様性の推測を深化させることを目的に研究を遂行している．離散型モデルについての研究として，確率分割を対象に性質を調べているほか，新しい推測法を考えている．連続型モデルについての研究として，主に多変量正規母集団を対象に母共分散行列に関する新しい推測法を考えている．また，研究課題に関連するようなモデルの推測法に関する研究を行っている．
確率分割を対象とした研究について，ピットマン抽出公式についての調査を進めたほか，ポアソン分布に関連したある種の条件付き分布についての新しい研究を始めた．特に，本研究課題開始前より行っていたピットマン分割の長さの積率を漸近的に評価する研究では，公開していたプレプリントを改訂し改めて学術誌へ投稿した．
母共分散行列を対象とした研究について，共通主成分性やallometric extensionモデルの高次元仮説検定法の提案を行った．本研究課題開始前より行っていた共通主成分性の高次元仮説検定に関する研究では，投稿していた論文の査読結果を受け取り改訂したうえで再投稿し論文が掲載されたほか，学会やシンポジウムで発表した．この結果を含め，従前より進めてきた2つの母共分散行列の比例性と共通主成分性についての高次元仮説検定について学会で発表した．また，2つの母集団の母共分散行列と母平均ベクトルがallometric extensionという関係にあるかどうかを仮説とした高次元仮説検定の研究を始め，成果を論文にまとめて学術誌へ投稿した．
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和3年度は，投稿していた論文の改訂と新しい話題での研究開始を計画していた．
確率分割モデルに関する研究について，ピットマン分割の長さの積率を漸近的に評価した結果をまとめた論文は学術誌への掲載決定には至らなかった．母共分散行列の推測に関する研究について，母共分散行列の共通主成分性の高次元仮説検定を提案する論文が学術誌に掲載されたほか，学会・シンポジウムで発表した．また，新しい話題の研究を始めた．特に，多変量正規母集団のallometric extensionモデルに対する高次元仮説検定に関する論文を投稿した．
確率分割モデルに関する研究はやや遅れているものの，母共分散行列の推測に関する研究は当初の計画以上に進んでいる．よって，区分は「おおむね順調に進展している」とした．
|
| Strategy for Future Research Activity |
令和3年度の研究方策を引き継いで研究を推進する．特に，令和4年度は，これまでに論文投稿している内容については学術誌への掲載を目指し適切に論文を改訂することを通して研究を進展させること，令和3年度に始めた研究については成果をまとめて対外的に発表することを通して研究を進展させること，によって推進する．
|
| Causes of Carryover |
約626000円の次年度使用額が生じた．この主な理由には，物品費が当初の予定よりかからなかったことと旅費を使用しなかったことがある．物品費については，特に購入を計画していたコンピュータに関して予定より安価なものを購入したことによる．旅費については，参加を計画していた学会が対面で開催されなかったことや対面での共同研究を行えず共同研究者を訪問しなかったことによる．
使用計画としては，研究遂行する上で適切なタイミングでの物品購入や研究発表および研究打ち合わせ時の旅費として利用する計画である．
|
