2023 Fiscal Year Annual Research Report
通信符号のための巡回差集合族の構成とその探索に関する研究
Project/Area Number |
21K13845
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
地嵜 頌子 大阪工業大学, 情報科学部, 講師 (90778250)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ブロックデザイン / 実験計画法 / SBBD / ドロップアウトデザイン |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度にあたる2023年度は,これまでに得られた巡回差集合族と関連した構造を持つ組合せデザイン及び,既存デザインの応用研究に関する結果をまとめる作業が主となった. 具体的には2編の国際論文誌への論文の推敲・修正作業,及び1編の国内雑誌への依頼原稿の作成・修正である. 2021年から3年間の研究期間全体を通して得られた研究成果は下記の通りである. (1) 完全二部グラフに関連する組合せ構造(spanning bipartite block design)の提案と構成法の確立,及び実験計画法への応用に関する研究を行なった. ブロックデザインや順序配列といった既存のデザインを用いた構成法を与えた. 一部の構成法では,巡回群上だけでなく,一般の群に拡張した構成法を与えることができた. また,実験計画法に適用した際に見られる最適性について議論し,証明を与えた. A-最適性については,成立する条件を示すことができた. また,E-最適性に関しては先行研究で知られているものと同値であることを発見した. これらの研究成果については,国際論文誌Metrikaへの掲載が1編,国際論文誌への投稿中が1編,国内雑誌「数学」への掲載予定が1編である. また,期間を通して8件の口頭発表を行った. (2) ドロップアウトデザインを用いた深層学習の計算機実験を行った. 具体的には,ドロップアウト法と呼ばれる正則化手法について,それに代替する組合せ構造であるドロップアウトデザインの性能を評価する実験を行った. 本実験に関しては実験及び議論の途中であるが,途中経過について,2021年に口頭発表を行った. また,ソフトウェア・シンポジウム2022でも論文投稿及び発表を行い,最優秀論文賞を受賞した. 本実験については引き続きの研究課題としたい.
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